Y Combinatorが7月25/ 26日にサンフランシスコでStartup School 2026」を開催しました。
ゴールデンステート・ウォリアーズの本拠地であるNBAアリーナを丸ごと貸し切りました。応募は3万人超で、選ばれた参加者は約6,000人。昨年の3倍の規模です。ベイエリア以外から来る人には渡航費の支援も出ていました。
登壇者は、NVIDIAのジェンスン・ファン、OpenAIのサム・アルトマン、MetaのAlexandr Wang、AnthropicのBoris Cherny、GoogleのJeff Dean、StripeのPatrick Collison、WaymoのDmitri Dolgovなど。チップ・モデル・データ・クラウド・開発ツールという各レイヤーの当事者が一つの場所に集まった形です。
ジェンスン・ファン(NVIDIA)
「会社を始めるのに、いまが史上最高のタイミングだ。この場にいる全員が羨ましい」。NVIDIAの初期の技術的な賭けが外れたこと、教科書で独学して軌道修正したことを語り、現実を直視することと、一日ずつ乗り切る粘り強さが何より重要だと繰り返していました。
サム・アルトマン(OpenAI)
2005年、Looptの最初のバージョンを書くのに3ヶ月かけた。今年、同じ量の仕事をコーディングエージェントが7分で出した。この圧縮こそが、目の前の参加者が過去のどの世代よりも大きな会社をつくれると彼が考える根拠だ、と。
「スタートアップは経済が停滞するのを防ぐ存在だ」「今日つくられるスタートアップは、過去のものよりも価値のあるものになる」「確信があって、かつ世間の常識が間違っていると思えることを見つけ、辛抱強く続けろ」。
推論需要については「今後何年も、世界の需要は年10倍で伸びると思う」と話していました。
パトリック・コリソン(Stripe)
Stripe上で新しく立ち上がるビジネスの数が前年から増えていて、その伸び幅はStripeが記録してきた中で最大。2019年から2020年の変化より大きいそうです。しかも中央値の新規ビジネスの成績も去年より良い。数が増えただけではない、と。彼はAIが一部のラボに価値を集中させる力になると心配していたが、実際に起きているのは逆で、勝者が何千と生まれる分散的な世界を予想するようになったとも語っていました。
学生への助言として「知識を自分の頭に入れておくこと(cognitive L1 cache)」の価値を挙げていたのも印象的でした。エージェントに調べさせるより、自分の頭の中のほうが思考の往復回数が多い、と。
参加者への特典も手厚く、OpenAI、Anthropic、Cursor、xAI、AWS、Azureから合計25,000ドル超のコンピュートクレジット。Anthropicは全員に月200ドルのClaude Maxを6ヶ月分、Metaは1,000ドル分のクレジットを配りました。
一方で批判もありました。「最近のYC Startup Schoolはメガチャーチっぽい」というミームが広がり、あるVCは「金だけを崇拝する人たちのためのメガチャーチ」と評しています。「YCのブランドはステータス目当ての人を弾くようにできていたはずなのに、群衆が納屋に押し寄せている感じがする。スタジアムサイズの納屋に」という声も。これに対してYCのGPは「我々のゴールは希少性をつくることではなかった。アリーナに立つべき人、立てる人はもっとたくさんいる。だからアリーナを借りた」と応じています。
主要セッションの映像はYCが公開しています。是非見てみてください!
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Y Combinatorの募集中アイデア⑬
「エージェンティックAPI」
破壊的変更は予告なく出荷され、Changelogは読まれない。
50社以上のAPIベンダーと仕事をして見えた一貫したパターン。AWSではサービス障害の30%超が、外部APIやパッケージの変更を見落としたことによるものだった。この摩擦はエージェント型コーディングツールがなかった時代には筋が通っていた。
Claude CodeやDevinは、価値さえあれば開発者も企業もコードベースへのアクセスを与えると証明した。提供者は変更を告知するだけでなく、適用すべき。Stripeが破壊的変更を出したら、エージェントが顧客のコードを走査し、修正のPRを開く。API版のDependabotを。
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Y Combinatorの募集中アイデア⑫
「AIネイティブなコンプライアンス」
いまだにスプレッドシートと縦割りツールと高額な人員の継ぎ接ぎ。
企業はCCOを雇い、内部で何が起きているかを把握するためだけに個別ソリューションを積み上げる。新しい市場に広げるほど複雑さは複利で増し、維持コストが売上より速く伸びる。
作業の大半は規制変更の監視、異常の検知、レポート生成、監査証跡の保全。AIが人間より速く安くこなせるものばかり。特に痛いのは州ごとのライセンス、更新サイクル、監査、法域ごとに異なる規制のパッチワーク。既存プロセスの自動化ではなく、AIが前提のときどうあるべきかの問い直しを。
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Y Combinatorの募集中アイデア⑪
「人間であることの証明」
CFOとの会議で2,500万ドルを送金した。本人以外の全員がディープフェイクだった。
音声クローンと偽のビデオ通話は安価で超リアルになり、この種の詐欺が爆発している。顔を見れば、声を聞けば十分だった時代は終わった。我々の信頼シグナルはすべて、人間を偽装するのが高くついた世界のために作られていた。
次の10年で最も重要な問題の一つが、インターネットの信頼レイヤーを作り直すこと。理想的にはプライバシーを差し出さずに。返信欄にボットのいないSNS、マッチが全員実在するデートアプリ、実際に買った人が書いたレビュー。
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Y Combinatorの募集中アイデア⑩
「物理世界のデータ」
コードも言語も画像も超人的。だが物理世界は。。。
いまだにAIではなく人間のために設計された遠隔センサーの、疎なデータで作業している。基盤モデルの改善とセンサーコストの急落で、高密度な収集がついに現実的に。Gecko Roboticsはロボットで到達困難な場所のデータを集め、Sorcerer(投資先!)は自律気象気球のデータを米政府の気象予報に供給している。
エネルギー、農業、物流、建設。世界最大の産業はどれも限られたデータと直感に依存している。データが増えれば精密にモデル化でき、モデル化できれば制御できる。ハリケーンの進路を変える。砂漠化を反転させる。
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Y Combinatorの募集中アイデア⑨
「今こそ暗号通貨」
価格は下がり、ナラティブは不発、開発者は去っていく。
それでもYCはかつてないほど強気。すでに100社以上の暗号通貨スタートアップに投資し、この数字は大きく増えると見ている。最終的にはすべてのYCスタートアップが資金調達から決済までクリプトのレールを使う。ほとんどはそれと気づかないままに。
規制の明確化が訪れ、ステーブルコインは主要金融機関に採用され、トークン化株式が取引を変えつつある。強気相場は作るには最悪の時期で、無限の利回りを謳う詐欺と競うことになる。ベア相場こそ本物が育つ。
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Y Combinatorの募集中アイデア⑧
「現場のためのOS」
世界の労働人口の80%はデスクに座っていない。
それなのに物理世界のソフトウェアは20年変わっていない。建設、保守、車両運用のソフトがやっているのは、人を割り当て、追跡し、資産を管理し、請求することの組み合わせだけ。
今や労働者は3種類。複雑な作業を見積もりチームを組めるAIエージェント、現場に配備されたロボット、行動をすべて記録するウェアラブルを着けた人間。既存のOSはこの3者を管理するようにできていない。これらの業界はソフトウェアの10倍から100倍を労働に払っている。
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Y Combinatorの募集中アイデア⑦
「高齢化社会のためのAI」
2030年、米国民の5人に1人が65歳超に。
世話をする人の数がまったく足りない。今後10年で数百万件の介護職が埋まらず、すでに5,300万人の家族が無償でこの労働を担っている。にもかかわらず、高齢者のために作られたテクノロジーはほとんどない。AlexaもGoogle Homeも、多くのシニアには使いづらい。
本当の会話ができる音声インターフェース、自立して安全に暮らすための見守り、家庭内の作業を助けるロボティクス、家族介護者がケアと通院と緊急対応を調整するソフトウェア。世界最大級で最も手つかずの市場。
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Y Combinatorの募集中アイデア⑥
「10億人が使うAIプロダクト」
3年経って、ホーム画面に増えた新しいアイコンはChatGPTだけ。
プラットフォームシフトは必ず消費者向けの巨人を生む。WebはGoogleとAirbnbを、モバイルはInstagramとDoorDashを。AIは史上最大のシフトなのに、まだ誰も出てきていない。
ではなぜ今か。知能がエージェントを人間のように扱えるところまで良くなった。コストは今ユーザー1人あたり月1,000ドルでも、年10倍のペースで落ちている。曲線を延長すれば消費者の瞬間はすぐそこ。今作る者がそれを取る。
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Y Combinatorの募集中アイデア⑤
「海に浮かぶデータセンター」
AIは計算資源を、データセンターは電力と土地を使い果たしつつある。
新設には承認と十分なメガワットの確保に何年もかかり、それでも地元自治体に潰されうる。地域社会が土地に反対を強める一方で、海は開かれている。狂って聞こえるが、答えの一部はコンピュートを洋上に移すことかもしれない。
海洋は地表の70%、豊富な日射、許認可プロセスなし、どのみち一日中太陽に照らされている巨大な天然ヒートシンク。標準化された多数の船が一つのグローバルクラウドとして動く、コンピュート船団。
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