レブロンが食べ残しを持ち帰っていた理由を、誰も知らなかった。
マシュー・デラベドバ。 2013年のNBAドラフト落選。
サマーリーグで這い上がり、キャバリアーズにたどり着いた。
だが現実は厳しかった。
試合後、こっそり残り物をかき集め、彼女と夕食を分け合う日々。
それを知ったチームメイトは、冗談交じりに笑った。
悪気はない。
それでも、心は削られていく。
転機は、レブロンが戻ってきてから。
ある試合後、またデラが残り物を集めていると、周りがいつものようにいじり始めた。
そのとき突然、レブロンが言った。
「デラ、俺の分も頼む。息子に持って帰りたい」
笑いが止まった。
1日2000万円以上を稼ぐ男が、チームの食べ残しを欲しがるはずがない。
その場にいた全員が、それを理解した。
誰もデラを笑わなくなった。
後日、デラはレブロンに礼を言った。
「本当はいらないですよね」 「お前を恥ずかしい思いをさせたくなかった。このリーグで生き残る方法なら教えられる」
それだけじゃなかった。
遠征手当の受け取りを「忘れた振り」をしてデラに回し、デラの彼女と夢見ていたフランス旅行を誕生日にプレゼントした。
2015年NBAファイナル。カイリー・アービング負傷。
急遽先発に入ったデラが向かった相手は、ステフィン・カリー。
試合後、脱水と痙攣で立てなくなるまで戦い抜きMVPコールが会場を包んだ。
2016年、キャバリアーズは球団史上初の優勝。
デラは4年3800万ドルの大型契約を得た。
彼が真っ先に向かったのは、レブロンのもとだった。
「残ってほしいなら、この契約を断ります」 レブロンは首を振り、こう言った。
「馬鹿なことを言うな。それはお前が命を削って勝ち取った金だ」
プライドを守る方法は言葉じゃない。 自分が先に動くことだ。
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デラベドバ ##
レブロン・ジェームズ#