『カインド・オブ・ブルー』のライナーノーツ「インプロヴィゼーション・イン・ジャズ」はビル・エヴァンスが執筆しています。そこで彼はジャズの即興演奏を日本の水墨画の技法に擬えました。やり直しの効かない一筆がその出来を左右する水墨画と、ミュージシャンのインスピレーションが演奏に反映される即興演奏は似た側面があるのではないかと。
『カインド・オブ・ブルー』は殆どの楽曲がファースト・テイクで、録音は二日間で完了、マイルスは事前にコンセプトをまとめたスケッチのようなものを用意していただけのようです。このレコーディングでのモード・ジャズの試みは、それぞれのミュージシャンの自由な演奏に繋がっており、それぞれの気迫の籠った一筆書きが一体感を伴ってマイルスのトーンに収斂されていく、シンプルな美しさを湛えたサウンドとなったのでしょう。
♫Flamenco Sketches(『Kind Of Blue』収録 )
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マイルス・デイビス100周年#