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長いコンテキストのLLM推論、KVキャッシュをディスクに逃がすべきかGPUで再計算すべきか、実は「常に正解」は存在しません。それを定量的に判断する仕組みを作った論文です。 タイトル: Building py-kvcache: A Performance Characterization of External KV Caching for vLLM with NVMe SSDs URL: 📝 概要 vLLM向けの外部KVキャッシュシステム「py-kvcache」を提案。io_uringによる非同期I/OでPython実装ながらSSDの読取帯域13.5GB/sをほぼフルに引き出します。 ❗ 解決する課題 既存の外部KVキャッシュ(LMCacheなど)は「いつ使うべきか」の判断基準を持たず、短いプリフィクスや高速GPUでは再計算の方が速いのに無条件にディスクから読み込んでしまう問題がありました。 ⚙️ 方法論 リクエストの待機時間中にディスク読込を先行させる「スケジューラ認識プリロード」と、TTFT改善が見込めない場合はロードを拒否する「ブレークイーブンゲート」を導入しています。 📊 実験結果 LongBenchのマルチ文書QAでGPU再計算比6.02〜7.43倍、LMCache比2.77〜3.64倍高速化。マルチターンのSCBenchでは、ネイティブvLLMのディスク読取3.4TBに対しpy-kvcacheは85GBに抑え、完了時間も1200秒超から480秒へ短縮しました。 🖥️ ユースケース H100のような高性能GPUでは外部キャッシュなしでも十分高速なのに対し、RTX 4000 Adaのような手元のGPUでは外部キャッシングが明確に有効という、ハードウェア次第の判断指針も提供しています。 #LLM推論# #vLLM#
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モデル自身に長い文章の中から使えそうな部分を選ばせてから、その部分だけで一時的に学習させる手法をMeta AIとバージニア大学が発表した(https://arxiv[.]org/html/2607.09415v1)。 近年のLLM(大規模言語モデル)は数十万トークンの長文を一度に読めるようになったが、扱える入力の長さ(コンテキストウィンドウ)を広げるだけでは長文を有効に使えるとは限らない。入力が長くなるほど正解率が下がる現象が知られていて、質問に関連する証拠を見つけて使う能力がボトルネックになっている。 有望な解決策がテスト時学習(TTT、Test-Time Trainingの略)だ。答える前にテスト入力そのものを訓練データとしてモデルの重みを一時的に更新する手法で、長文脈タスクとの相性が良いとされてきた。ただし長文脈全体を学習に使うのは計算コストが高く、ランダムに抜き出した断片を使うと無関係な情報がノイズになる。 著者らはLLMの長文読解力を測るベンチマーク「LongBench-v2」で診断実験を行い、興味深い結果を得た。ランダムな断片で学習させるとベースモデルの正解率40.4%が38.9%まで下がる一方、正解を教えられたうえで判断するGPT-5.5が選んだ「本当に必要な部分」だけで学習させると45.9%まで伸びた。TTTの効果は学習させる部分の質に強く依存している。 これを受けて提案されたのがSelf-Guided TTT(S-TTT)だ。2段階構成で、まずモデル自身に長文脈の中から質問に関連しそうな部分を原文のまま抜き出させ(Stage 1)、その部分だけを使って次単語予測(次にくる単語を当てさせる、通常のAI学習と同じ方式)で一時的に学習させる(Stage 2)。最終的な回答生成は元の文脈全体を見て行う。 Qwen3-4B-Thinking-2507とLlama-3.1-8B-Instructの両方で検証したところ、ベースモデルは一貫して上回り、ランダムに断片を選ぶ手法や文脈全体を使う手法など既存のTTT手法に対しても総じて上回るか同等の成績を残した。最大では15%の相対的な改善を達成している(Qwen3-4B-Thinking-2507、LongBench-v2の64k〜128kトークン帯域で正解率30.7%→35.3%)。 パープレキシティ(次単語の予測しにくさ)やエントロピー(予測の不確実性)が高い部分を選ぶより、モデル自身が「質問に関連しているか」で選ぶ方が明確に優れていた点も興味深い。難しい部分を学ばせればいいわけではなく、質問との関連性を見極める判断力そのものが効いているらしい。
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🧠 「記憶は検索されるのではなく、再構成される」——LLMエージェントのメモリを、一度きりの検索から推論しながら掘り進む方式に作り変えた研究がICML 2026に採択されました。 タイトル: Memory is Reconstructed, Not Retrieved: Graph Memory for LLM Agents URL: 🧠 概要 提案手法MRAgentは、連想記憶グラフと「能動的再構成メカニズム」を組み合わせたLLMエージェントのメモリ手法です。LLMの推論をメモリアクセスそのものに組み込み、推論中に見えてきた証拠をもとに検索パスを反復的に探索していきます。 ❓ 解決する課題 既存のメモリ拡張エージェントの多くは「まず検索→次に推論」という固定パイプラインでした。 ・最初のクエリだけで一度きりに取り出すため、推論の途中で重要だと分かった手がかりを使い直せない ・長い対話履歴から多段で証拠をたどる質問に弱い 💡 方法論と提案手法 メモリをCue(手がかり)・Tag(意味的な橋渡し)・Content(内容)の3種ノードを持つグラフで表現します。 ・まず関連するTagを選び、次にCueとTagの両方を条件にContentを取得する2段階検索 ・「どの方向に探すか」と「何を取り出すか」を分離し、組合せ爆発を回避 ・推論中の状態を保持し、新たな手がかり(例:「7月」という時間軸)を発見して未到達の証拠まで辿れる 🎯 ユースケース 長期記憶が必要な対話エージェントや、複数セッションをまたいで事実を組み合わせるアシスタントに有効です。十分な証拠が集まったとLLM自身が判断して探索を打ち切るため、無駄な検索も抑えられます。 📊 実験結果 ・LoCoMoでGeminiのスコアが68.31%→84.21%(相対+23.3%)、Claudeで75.88%→90.19% ・LongMemEvalで53.01%→72.95%(相対+37.6%)。マルチホップや時間推論で特に強い ・トークン消費は118kとベースライン(245k〜3,268k)より大幅に少なく、性能と低コストを両立 #LLMエージェント# #メモリ#
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