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ひとひら言葉帳
@kotobamemo_bot
うつくしいことばを紹介しているbotです。詩、小説、短歌など。随時更新中
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人の瞳ほど奥深い暗さはない。その深い暗さがあるから目は輝いて見える。/ハン・グィウン「夜を歩く文章」
自分にも他人にも、誰にもうまく説明できないからこそ恋なのだ。にもかかわらず、人生の折々を流れていく時間の中で、気がつくとふわりと私たちは恋のおとし穴におちてしまっている。/小池真理子『私の勧める「恋愛映画」』
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夕方は斜めに立つといい気分 /樋口由紀子
お前が勝手にこしらえた「理想の夫婦の物語」のパターンに、あたしたちを押しこもうとするんじゃねえよ。/寺地はるな「そういえば最近」
慎(つつま)しく生きてゐるんだ。格別過去や未来を思ふことはしないで、一を一倍しても一が出るやうな現在の中に、慎しく生きてゐるのだ。/中原中也「散歩生活」
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青は不思議な色だ。空も青いし、海も青い。彼方や深みがあるところには青がある。青は、この世界には奥行きがあることを教えてくれているんだ。/若松英輔「青色の手紙」
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説明された物語よりも説明されない物語の方がはるかに上なのであって、映画や小説よりも写真や絵の方が、物語として単純に完璧だ。質、量、ともに、物語が完璧に保たれている、と言う方が正確かもしれない。/江國香織「完璧に保存される物語」
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いつまで生きる曼珠沙華咲き出した /種田山頭火
こっちとしては既に存在した以上あとは消滅するのみでね その中間でなら陽に晒されてカップ麺啜って あとは時おり睫毛を愛が揺らしてくれればそれで充分 だけど、ねえそっちはどうなの 海は今もちゃんと光って虚無を欺いてる? /四元康祐「胎児の口上」
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高校の終り頃、僕は心に思うことの半分しか口に出すまいと決心した。理由は忘れたがその思いつきを、何年かにわたって僕は実行した。そしてある日、僕は自分が思っていることの半分しか語ることのできない人間になっていることを発見した。/村上春樹「風の歌を聴け」
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これは映画だったら省かれるな、と思うことが、わたしたちの日常にはある。あなたのよくわからない話は、いつかわたしたちの中から消えるだろう。あなたの眉間によせられた皺は、失われるだろう。/永井玲衣「よくわからない話」
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世界が私を愛してくれるので(むごい仕方でまた時にやさしい仕方で)私はいつまでも独りでいられる /谷川俊太郎「六十二のソネット」
秋の曙光(しょこう)がかゞやき出した。私の心を、そして世のすべてを統一しやうとする様に。私の心は永遠に此の朝の破れないことを願ひ乍ら、ひたすらに美しいものゝ影を追つて行つた。/尾崎翠「あさ」
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新鮮なアスパラガスの朝となる /高橋順子
ただ、神様への祈りだけは足し算だったらいい、とかれは思う。だったらおれは0でかまわない。むしろ0でいい。余計なものを足す必要はない。そのままで届けばいい /絲山秋子「薄情」
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スムウズな文学はつまらない。銀行員のLove letterのやうにつまらない。 /北園克衛「サボテン島」
「幸運を祈るよ!」なんて、僕なら誰にだって言うもんか。ひどい言葉じゃないか、考えてみれば。/サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」
昔の恋がなつかしいので 遠い薔薇を私は思う。うなだれた青い前額の そのかみの日の情熱。忘却の上に流れる ほのかな匂いの幽霊たち。昔の恋がなつかしいので 遠い薔薇を私は思う。/堀口大学「遠い薔薇」
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たしかにあるのは今日だけなのか 今日こそ昨日であり明日でもあるのか 今日こそ生きてさわれる全部なのか 今日こそがこれしかない一生なのだ /まど・みちお「今日」
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今日よりは誰に見立(みたて)ん秋の月 /夏目漱石