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ひとひら言葉帳
@kotobamemo_bot
うつくしいことばを紹介しているbotです。詩、小説、短歌など。随時更新中
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少なくも夏だけは「自由」の涼しさが欲しいものである。「風流」は心の風通しのよい自由さを意味する言葉で、また心の涼しさを現わす言葉である。/寺田寅彦「涼味数題」
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たとえその人の人生の重要人物にならなくても、私がただ私の人生を生きているだけで、その人にとっての「世界」がすこし鮮やかになったり解像度が上がったりするのだとしたら、それはすばらしいことだ。/最果タヒ「おすすめは難しい」
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流れる水が腐らないように、何かにつけて新しく心が動き、身体が働くというのは、人を生き生きとさせます。/与謝野晶子「歳末の忙しさ」
時間は永遠のこまぎれ こまぎれで積木遊びするわたしたち 積んで こわして また積みあげる /多田智満子「時」
幸福感というものは、悲哀の川の底に沈んで、幽かに光っている砂金のようなものではなかろうか。/太宰治「斜陽」
見知らぬ景色と遊ぶことで、単なる記号だった地名に、汗と記憶が付着していく。ゆかりのなかった土地へ、想像を巡らせるようになる。海に、自分だけの波色がつく。/岡田悠「17年前に2秒見えた海を探す」
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私はこの恋心を、今すぐに伝えようと思いついた。とにかく私は彼に連絡をして、簡易的に心のすべてを伝え、「どうしたらいいですか?」と最後に書いた。二〇一七年の私は呑気さと図々しさを兼ね備えた明るい馬鹿だった。/小原晩「春一番」
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7月は星の季節。たなばた。スピカ。夏の大三角形。花火の日、向こう側にみえる星。あの星、去年死んだきみではないのですか。きみは、死んでも星になれない魂でしたか。/最果タヒ「花火の詩」
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こころが美しくなると そこいらが 明るく かるげになってくる どんな不思議がうまれても おどろかないとおもえてくる はやく 不思議がうまれればいいなあとおもえてくる /八木重吉「不思議」
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他者の目を気にせずに、他者に迷惑をかけることなく、どうしても譲れない自分の一線を守ることができるのが自分ひとりの部屋だ。そこは他者が干渉することのできない、個人の王国になるのだ。/東畑開人「贅沢な悩み」
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「これが自分の言葉で、これが自分の文体だ」と確信できるものを用いることで初めて、心にあるものを具体的なかたちにできる。どんなに美しい言葉も、洒落た言い回しも、自分の感覚や生き方にそぐわなければ、あまり現実の役には立たない。/村上春樹「プレゼントする人、される人」
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遠方の場所を想うということは特別なことだ。遠方の地というものには詩性に似たものが漂っている。たとえば街の雑踏のなかでどこか遠い地を想うとき、その人物は燈台のようなものに変じているのではあるまいか。/西崎憲「飛行士と東京の雨の森」
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今、泣いているひとよ、 あなたは、悲しみのために、涙を流すのではない 暴れまわる血の、幸福なながい吐息のために、 喉をすべらかにほぐす、仕事を担ったのだ /杉本真維子「なみだ」
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この世の中で一番美しい器は、人間が水を掬って飲む時に両手でこしらえる器です。十人の人がいれば十の器があるんです。/伊集院静「花」
「エンドロールに流れる肩書きが親友だと勿体ない気がしてきた。付き合おうよ、律」 /斜線堂有紀「回樹」