登録して招待リンクを共有すると、動画再生報酬と紹介報酬を獲得できます。

いんなーちゃん
@minori_kanau
引き寄せ難民ちゃんへ|叶えた後人生逆戻りするパターンに終止符を打つよ|恋愛・お金・理想の環境を設定通りに創る現実創造を実体験ベースで発信中|不足ループにばいばい
93 フォロー中    943 ファン
愛されたいのに、 愛を信じられない人魚がいました。 どんなに優しくされても、 心の奥ではいつも、 「いつか離れていくかもしれない」 と思っていました。 海の王国では、 人魚たちはみんな恋をしていました。 好きな人から花をもらえば喜び、 手をつないで泳ぎ、 「ずっと一緒にいよう」と笑い合う。 けれどその人魚だけは、 誰かに愛されるたびに、 胸が苦しくなりました。 「本当に好きなの?」 「いつまで?」 「私より素敵な人が現れたら?」 愛されたい。 でも、 愛されるほど怖くなる。 だから人魚は、 誰かが近づいてくると、 少しだけ遠くへ逃げました。 ある日、 海の底にある古い貝殻の家で、 一人の老人に出会いました。 人魚は尋ねました。 「どうしたら、 愛を信じられるようになるの?」 老人は答えました。 「愛を信じようとするから、 怖くなるんだよ」 「じゃあ、どうするの?」 「まず、 自分が愛されていることを 疑わない練習をするんだ」 人魚は首をかしげました。 「でも、 誰かが愛してくれるかなんて わからないよ」 老人は笑いました。 「誰かが愛してくれるのを 待つんじゃない。 あなたがあなたを、 見捨てないんだよ」 その日から人魚は、 小さなことを始めました。 疲れた日は休む。 嫌なことには近づかない。 寂しい日は、 寂しいままの自分を抱きしめる。 失敗した日は、 「大丈夫」と声をかける。 そして毎晩、 「今日も私を置いていかなかったね」 と、自分に言いました。 少しずつ、 胸の奥にあった 小さな恐怖が消えていきました。 そんなある日。 人魚の前に、 一人の青年が現れました。 青年は人魚に花を渡しました。 「君に似合うと思って」 人魚は嬉しくなりました。 けれど、 いつもの不安が 胸の奥から顔を出しました。 「この人も、 いつか私を置いていくかもしれない」 そう思った瞬間、 人魚は気づきました。 以前なら、 怖くなって逃げていた。 でも今は、 逃げなくてもいい。 もし離れていく日が来たとしても、 そのときの自分を 自分が抱きしめればいい。 誰かに愛され続けることを 保証してもらわなくても、 私は私を置いていかない。 そう思えたのです。 人魚は初めて、 「ありがとう」 と笑いました。 それから二人は、 一緒に海を泳ぐようになりました。 でも人魚は、 前のように 相手の愛を確かめ続けませんでした。 返事が遅くても、 少し離れていても、 一人の時間があっても、 愛がなくなったとは 思わなくなったのです。 そしてある夜。 満月の光が海の底まで届いたとき、 人魚の尾びれが きらきらと輝き始めました。 老人が言いました。 「やっとわかったね」 人魚は笑いました。 「何を?」 「愛されるって、 誰かが絶対に離れないことじゃない。 離れることを怖がらずに、 愛を受け取れる自分になることだよ」 人魚は、 隣にいる青年を見ました。 そして、 自分の胸にも手を当てました。 そこにはもう、 愛されるために 必死になっている自分はいませんでした。 ただ、 愛を受け取っていい自分がいました。 それから人魚は、 誰かを愛するたびに、 前よりずっと自由に笑えるようになりました。 なぜなら、 誰かが愛してくれるから 幸せなのではなく、 愛されても、 愛されなくても、 自分だけは自分を 見捨てないと知っていたからです。 そして不思議なことに、 愛を失うのが怖くなくなった人魚のもとへ、 愛は前よりも 静かに、たくさん、 流れ込んでくるようになりました。
もっと見る
雨宿りした場所で、 人生のいちばん大切な出会いが始まることがある。 だから、予定どおりに進まない日は、 少しだけ立ち止まってみてもいい。 ある村に、いつも急いで歩く少女がいました。 朝は早く起き、 仕事をして、 夕方になれば家へ帰る。 一日の予定を一つでも崩すと、 「時間を無駄にした」 と思ってしまう少女でした。 ある雨の日。 少女はいつものように 家へ急いでいました。 ところが、突然、大粒の雨が降ってきました。 傘を持っていません。 少女は困って、近くにあった古い小屋へ駆け込みました。 「最悪……」 今日の予定は全部狂ってしまいました。 すると、小屋の奥から声がしました。 「雨の日は、予定がなくなるんじゃないよ。別の予定が始まるんだ」 そこには、白い髭のおじいさんがいました。 少女は尋ねました。 「別の予定って?」 おじいさんは、窓の外を指さしました。 「雨が止むまで、ここで待ってごらん」 少女は仕方なく、小屋の中で待つことにしました。 しばらくすると、雨音の向こうから 小さな歌声が聞こえてきました。 外を見ると、雨の中で困っている子どもが一人いました。 少女は、自分の持っていたパンを半分にして渡しました。 子どもは嬉しそうに笑いました。 「ありがとう。明日もここにいる?」 少女は、 「わからない」 と答えました。 すると子どもは、 「じゃあ、また会えたらいいね」 と言って走っていきました。 雨が止み、少女も小屋を出ました。 次の日。 少女は、なぜかまたその小屋へ行ってみたくなりました。 そこには、昨日の子どもがいました。 そして、その隣には母親がいました。 母親は、少女を見るなり言いました。 「昨日は娘を助けてくださって、 ありがとうございました」 そして、一枚の紙を差し出しました。 そこには、少女がずっと探していた仕事の紹介先が書かれていました。 母親は、その仕事をしている人だったのです。 少女は驚きました。 昨日、予定どおり帰っていたら、 この出会いはなかった。 雨に降られなければ、 この小屋にも入らなかった。 少女は、昨日のおじいさんの言葉を思い出しました。 「別の予定が始まる」 その夜。 少女は、雨が降った日のことを日記に書きました。 そして最後にこう書きました。 「今日、予定が狂ってよかった」 それから少女は、予定どおりにいかない日が来るたび、 少しだけ笑えるようになりました。 雨の日には、 「今日はどんな物語が始まるんだろう」 と考えるようになったのです。 ある日、また大雨が降りました。 少女は、あの小屋へ向かいました。 けれど、そこにはもう小屋がありませんでした。 代わりに、小さな花畑ができていました。 その真ん中に、あの日のおじいさんが立っていました。 少女が驚いていると、 おじいさんは笑いました。 「もう雨宿りする必要はないよ」 「あなたは、雨が降ったら、 物語が始まることを知ったからね」 少女は、空を見上げました。 まだ雨は降っています。 でも、もう急いでいませんでした。 雨宿りは、雨から逃げるための時間じゃない。 人生が、次の物語を始めるために そっと足を止めてくれる時間なのかもしれません。
もっと見る