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大前粟生
@okomeinusame
おおまえあお。小説家。短歌も。著書に『おもろい以外いらんねん』(織田作之助賞候補)『きみだからさびしい』(本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞候補)『まるみちゃんとうさぎくん』(NHK-FMでラジオドラマ化)歌集『柴犬二匹でサイクロン』など。『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』が映画化🎊 平和のための読書日記
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大江健三郎が「私小説について」というエッセイで言っていることがとてもおもしろい。現代のおよそほとんどの小説に見られるような、透明で客観的な地の文と会話文の応酬でできた文体を日本の小説に完成させたのは志賀直哉だと大江は言っていて、それに追随する私小説作家たちと国語教育がその文体を世の中に広めていった、ということを批判的に書いている。 その文体では、描かれる〈私〉は没個性的な認識を持ち、一般常識に照らし合わせたところの異常な〈他者〉を観察する存在に終始せざるを得ない。 そうであるならば、書き手は自らが書いた文章のなかに自己を探求することをやがて見失ってしまい、たとえば作家が無人島にその著書と共に取り残されたとき、それらの本のなかに自己や人生を発展させる手立てはなにもないのではないかーーというようなことを1961年に言っていて、それから60年経った今の作家の自分にめちゃくちゃ身につまされる問題提起として迫ってくる
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