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汐 弥生@毎夜更新中!創作BL『入道雲の下』
@yayoi_ushio_ss
140字SS書き。創作BLを毎日夜に更新中。いつかは文字書きでお仕事できたらと夢を見る。ヘッダーに初期作『殻と繭』のノアとマサを、絲yun.さんが描いてご提供くださいました!ありがとうございます✨✨ ご連絡はDMへお願いします。
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【連載 入道雲の下】第百八十七話『払拭』#140字SS# #創作BL#
まだ解決したわけじゃない。また出ていくとか、そのために別れたいと言われるかもとかの不安はつきまとうけど。どうせみっちゃんは勝手に決めるから。俺がうろたえてどうするんや、と思い切り頬を叩いて気合いを入れ直し、近くに有った果物のダンボールを持ち上げる……もちろん、腰はいたわりながら。
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まだ解決したわけじゃない。また出ていくとか、そのために別れたいと言われるかもとかの不安はつきまとうけど。どうせみっちゃんは勝手に決めるから。俺がうろたえてどうするんや、と思い切り頬を叩いて気合いを入れ直し、近くに有った果物のダンボールを持ち上げる……もちろん、腰はいたわりながら。
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【連載 入道雲の下】第百八十六話『晴れ』#140字SS# #創作BL#
ようやく痛みが全部引いて、店に立てるようになった頃。朝の開店準備の途中で、いつもの流れで店の前に座り込む。まだカーテンが開かないみっちゃんの部屋を見上げながら、タバコを取り出してーーぐしゃ、としまい込んだ。コイツに頼らなくても、もやが晴れたみたいに、ふしぎと頭がスッキリしていた。
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ようやく痛みが全部引いて、店に立てるようになった頃。朝の開店準備の途中で、いつもの流れで店の前に座り込む。まだカーテンが開かないみっちゃんの部屋を見上げながら、タバコを取り出してーーぐしゃ、としまい込んだ。コイツに頼らなくても、もやが晴れたみたいに、ふしぎと頭がスッキリしていた。
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【連載 入道雲の下】第百八十五話『大人になること』#140字SS# #創作BL#
そういえば、ずっと抱えてたんだよなぁ。みっちゃんがここを出て行ったあの時からずっと。……すなおなひとりごとが口に出て自分でも驚くし、周りからは『その歳で何言ってんだ』って突っ込まれるかもしれないけど、ちゃんと振り返って理解できるほど、あの頃よりも少しは大人になれたのかもしれない。
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そういえば、ずっと抱えてたんだよなぁ。みっちゃんがここを出て行ったあの時からずっと。……すなおなひとりごとが口に出て自分でも驚くし、周りからは『その歳で何言ってんだ』って突っ込まれるかもしれないけど、ちゃんと振り返って理解できるほど、あの頃よりも少しは大人になれたのかもしれない。
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【連載 入道雲の下】第百八十四話『やっと掴んだ正体』#140字SS# #創作BL#
寝て起きてたんこぶが引いても、あの別人みたいな顔をしたみっちゃんが頭から離れない。その度に、胸の辺りがモヤモヤして、気持ちが悪くてしかたなかった。ーーそれから何日かして、足首と腰から痛みが少しずつマシになってきた頃になって、やっとそれの正体が『さみしい』というものだと気がついた。
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寝て起きてたんこぶが引いても、あの別人みたいな顔をしたみっちゃんが頭から離れない。その度に、胸の辺りがモヤモヤして、気持ちが悪くてしかたなかった。ーーそれから何日かして、足首と腰から痛みが少しずつマシになってきた頃になって、やっとそれの正体が『さみしい』というものだと気がついた。
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【連載 入道雲の下】第百八十三話『決意』#140字SS# #創作BL#
照れくさくてだまっていると、みっちゃんが続ける。「でももう、助けてもらってばっかりじゃいかんね…………この先のこと、ちゃんと自分で決めようわい」握ってきた手は、昔からさっきまでそばにいた“しょっちゅう一人の世界に入り込む、さみしがりで泣き虫のみっちゃん”とは、別人みたいに強かった。
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照れくさくてだまっていると、みっちゃんが続ける。「でももう、助けてもらってばっかりじゃいかんね…………この先のこと、ちゃんと自分で決めようわい」握ってきた手は、昔からさっきまでそばにいた“しょっちゅう一人の世界に入り込む、さみしがりで泣き虫のみっちゃん”とは、別人みたいに強かった。
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【連載 入道雲の下】第百八十二話『助けてくれたきみへ』#140字SS# #創作BL#
「別に。ありがとうって言われるような事してないわ」ふい、とできる限りみっちゃんから目をそらす。「ううん。小さい頃からいっぱい心配してくれとるやん。僕が泣いとったら飛んできてくれたし、困っとる時は一番に見つけてくれた。今回の事も、いっぱい助けてもらったもん。じゃけん、ありがとう。」
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「別に。ありがとうって言われるような事してないわ」ふい、とできる限りみっちゃんから目をそらす。「ううん。小さい頃からいっぱい心配してくれとるやん。僕が泣いとったら飛んできてくれたし、困っとる時は一番に見つけてくれた。今回の事も、いっぱい助けてもらったもん。じゃけん、ありがとう。」
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【連載 入道雲の下】第百八十一話『息もできぬ空気』#140字SS# #創作BL#
俺の言葉に、みっちゃんがくちびるをかんで下を向く。急に重苦しくなった空気に「あ、いやすまん、あせらすようなこと」と口に出た。ーー何分経ったかは分からない。しばらくして、一つ息を吐いたみっちゃんが顔をあげる。「……ううん。いずれ考えんといかんことやけん。心配、してくれてありがとう」
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俺の言葉に、みっちゃんがくちびるをかんで下を向く。急に重苦しくなった空気に「あ、いやすまん、あせらすようなこと」と口に出た。ーー何分経ったかは分からない。しばらくして、一つ息を吐いたみっちゃんが顔をあげる。「……ううん。いずれ考えんといかんことやけん。心配、してくれてありがとう」
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【連載 入道雲の下】第百八十話『こころくばり』#140字SS# #創作BL#
もぉ、ビックリした。ーー俺の今日のやらかしを聞いて、みっちゃんが胸をなでおろす。「起きれんぐらいのケガって聞いたけん。よっぽど大ケガしたんかと思うたやん。ほんま良かった、いや良くないけど」泣きかけの顔で、みっちゃんが俺の手を握る。「……俺の心配ごとより、他に心配すること有ろうが」
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もぉ、ビックリした。ーー俺の今日のやらかしを聞いて、みっちゃんが胸をなでおろす。「起きれんぐらいのケガって聞いたけん。よっぽど大ケガしたんかと思うたやん。ほんま良かった、いや良くないけど」泣きかけの顔で、みっちゃんが俺の手を握る。「……俺の心配ごとより、他に心配すること有ろうが」
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【連載 入道雲の下】第百七十九話『やかましい見舞い』#140字SS# #創作BL#
「こーた大丈夫なん?!」聞いたことないデカい声と一緒に、客間のふすまが勢いよく開いて体が跳ねる。「!痛っ!……てぇぇ……お前のぉ、来るならもうちょい静かに入ってきぃや」「う、ご、ごめん、でも」落ち着いてやっと見れたみっちゃんの顔は、まゆげが本当にハの字になっていて思わず吹き出す。
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「こーた大丈夫なん?!」聞いたことないデカい声と一緒に、客間のふすまが勢いよく開いて体が跳ねる。「!痛っ!……てぇぇ……お前のぉ、来るならもうちょい静かに入ってきぃや」「う、ご、ごめん、でも」落ち着いてやっと見れたみっちゃんの顔は、まゆげが本当にハの字になっていて思わず吹き出す。
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【連載 入道雲の下】第百七十八話『それは自分も』#140字SS# #創作BL#
結局、成人式で会うまで、帰省してきたのはほんの二、三回だった。その時も適当な理由をつけて会わずにいたけど、振り返れば、急に生えてきた恋をどうしていいか分からなくてフタをしていたと知って。「人のこと、ウソつきとか言えんか」と、夢のせいでまだバクバクする胸を抱えて、笑うしかなかった。
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結局、成人式で会うまで、帰省してきたのはほんの二、三回だった。その時も適当な理由をつけて会わずにいたけど、振り返れば、急に生えてきた恋をどうしていいか分からなくてフタをしていたと知って。「人のこと、ウソつきとか言えんか」と、夢のせいでまだバクバクする胸を抱えて、笑うしかなかった。
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