日弁連が明確に「反対する」と表明した。日弁連のこの声明は、基本的人権を理解する法律家であれば、ほとんど異論のない、オーソドックスな内容です。
サッカー応援のために自分で買った「日の丸」に「日本がんばれ」と書くのはOKのはず。しかし、そのがんばれの字が汚いと人を「不快」にさせ、罪に当たるかもしれない???。
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日本弁護士連合会:「国旗の損壊等の処罰に関する法律」案に反対する会長声明
@jfbasnsより
本法案は、国民の内心の自由(憲法第19条)及び表現の自由(憲法第21条)を侵害するおそれがあり、罪刑法定主義(憲法第31条)の観点からも問題がある。
本法案が「国旗損壊罪」を定める立法趣旨は、国旗を大切に思う国民感情を保護するものであると説明されている。確かに、国旗は国民の間に広く定着しており、これに愛着を感じる人も少なくない。しかし、国旗を大切に思う感情も、批判的感情も無関心も、まさに国民一人ひとりの内心の自由に属するものである。したがって、国旗に対する感情は、国民の自由かつ自然な感情に委ねられるべきものであり、刑罰をもって強制されるものではない。このような、刑罰により国民感情を強制しかねない法制度は、憲法第19条が保障する内心の自由を侵害するおそれがある。
また、日本においては、過去に日の丸が軍国主義高揚の手段の一つとして使われた歴史的経緯があるため、本法案による「国旗損壊罪」の創設は、日本国憲法が採用した平和主義に逆行するような印象を与えかねない。また、政治的な批判表現のみならず、国旗を用いた様々な表現自体を萎縮、抑制させることになりかねず、憲法第21条が保障する表現の自由を制約するおそれも大きい。
さらに、本法案では、第2条第1項で「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者」を処罰の対象者とし、第2条第2項で「前項の方法に該当するかどうかの判断は、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものとする」とされている。
しかしながら、「著しく不快又は嫌悪」という感情は人それぞれ異なり、そのような内心の感情を犯罪の構成要件に加えることは極めて抽象的かつ不明確である。また、「行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行う」とする点についても、その行為時の規範として不明確であり、罪刑法定主義(憲法第31条)に反するものである。
以上のとおり、「国旗損壊罪」の創設は、政治的な抗議活動や表現活動に対する萎縮効果をもたらすものであり、憲法第19条及び第21条に抵触するおそれが高い上、憲法第31条の罪刑法定主義に反し処罰範囲が拡大していくおそれも大きい。
したがって、当連合会は、「国旗損壊罪」の創設に反対する。