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新田 龍
@nittaryo
働き方改革総合研究所株式会社代表取締役|労働環境改善による企業価値向上&採用定着支援、ビジネスと労務関連のこじれたトラブル解決支援、炎上予防と評判改善支援|労働問題・パワハラ・カスハラ・クビ・炎上にまつわるトラブル解決の専門家|厚生労働省ハラスメント対策企画委員|福島県楢葉町働き方改革推進特命アドバイザー|著書26冊
가입 July 2009
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朝日新聞がまた凄い記事を出してますね。これ、自分たちの黒歴史やデジタルタトゥーになるかも…と掲載前に少しでも立ち止まった人は社内にいなかったのかな。 「差別のない本屋に通いたい」という小学校教員が、書店に並ぶヘイト本に疑問を持ち、2万筆超の署名を集め、大手書店19社に陳列変更を求めた活動を、「震える声」「冒険」などと、あたかも「勇気ある教師の物語」かのように紹介してるわけなんですけど。 記事読みましたが、問題視したという具体的な書名も、認定基準も、該当箇所の検証も、書店・出版社側の見解もほぼ出てこないんですよね。 基準もよく分からないまま、特定の書籍を「差別本」「ヘイト本」と認定し、他人の書店から本を遠ざけるという、民間の言論流通に影響を与えるようなド直球の差別的な活動を、その妥当性もロクに検証せずに「善意と勇気」で包んでしまってるわけですよ。ジャーナリズムとしては相当危うい行為なんだけどなあ。 立場を逆にすれば、その異様さがよく分かるんじゃないですか。 愛国者である私が仮に、自分の保守的な内容の著書をもっと書店に置いてほしいとの思いから、 「非科学的な反ワク、反原発の本こそヘイトだ!」 「こんな反日的な本、目立つ場所に置くな!」 「これは日本人差別だから撤去しろ!」 と2万人の署名を集め、大手書店19社に陳列変更を迫ったら、朝日新聞は私を「震える声で立ち上がった勇気ある市民!」と称賛してくれるでしょうか? まずしないでしょうね。おそらく「表現の自由への圧力!」「書店への政治的介入!」「言論空間を萎縮させる行為!」などと、その筋の自称専門家たちまで総動員して猛批判することでしょう。 だったら、この記事の活動も同じ基準で検証してくださいよ。表現の自由に、右用と左用の2種類があるわけじゃないんだから。 社会の木鐸たる天下の朝日新聞様が、活動家の日常を感動物語に仕立てて、さも真っ当な報道かのように世の中にタレ流す前に、 ・どの本の、何が問題なのか。 ・誰がどんな基準で「ヘイト」と認定するのか。 ・書店側はどう考えているのか。 ・表現の自由との衝突をどう考えるのか。 ・立場を逆転させても、同じ原則を適用できるのか。 といった点くらいはキッチリ検証するのが、本来あるべきジャーナリズムなんじゃないですか。それをほぼスルーして「震える声」「冒険」などと情緒的に美談化するなんて、まるで活動家の主張を新聞の信用力でキレイにラッピングした広報記事に見えてしまいますよ。 「差別をなくそう」という話と、「オレが差別だと認定した本を他人の書店から遠ざけろ」というまったく別の話を、同じ「差別反対」という言葉で混ぜちゃいけません。 不快な本、間違っていると思う本、許せない思想であっても、違法でない限り出版され、書店に並び、読者自身が選べる余地を残すことまで含めて「表現の自由」なんですから。 「正しい本だけが並ぶ書店」を作ろうとしたら、当然その「正しい」を決める人間が必要になりますが、その瞬間、「差別のない本屋」は「誰かが思想を選別する本屋」に変わるわけです。 これは明らかに「検閲」的発想なんですが、当事者たちはそれを「善行」だと信じていることが恐ろしいんですよね。しかも、本来その危うさに対して最大限の警鐘を鳴らすべき側の新聞まで、一緒になって「冒険」と称えているところがさらにおぞましい。 朝日新聞は今後、政府や企業や保守系団体が出版物の陳列に圧力をかけたとき、当然「表現の自由を守れ」と主張することでしょう。そのとき、この記事はずっとついて回りますよ。 「あなた方、自分たちが共感する思想による書店への圧力は『冒険』として称賛してましたよね?」 と。これこそ、今般自分たちでキッチリ刻んでしまったデジタルタトゥーです。 焚書や言論統制って、悪い人たちが最初から「言論弾圧するぞ!!」と宣言して始まるとは限らないんですよ。今般の記事のように、 「社会を良くしたい!」 「有害なものから人々を守りたい!」 そんな善意と正義を掲げて始まるからこそ、厄介なんです。 だからこそ表現の自由は、「誰の主張か」ではなく「同じ原則を誰にでも適用できるか」で守らなければならないはず。その一番基本的なことを、よりによって新聞社が忘れてどうするんですか。
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(著者に会いたい)『差別のない本屋に通いたい。 本好き教師の冒険の記録』 仲川啓介さん
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