2026年6月11日夜に #
半畳の宇宙『##
ハムレット×AI』を観ました。#
日本福音ルーテル蒲田教会にて。
会場は教会の聖堂、その祭壇の前のスペースを斜めに切って白いシートが敷かれ舞台が設えられている。小道具で大きなものといえば白い脚立と背もたれのついた白い椅子が一脚ずつ。小道具としてはスマホだのリコーダーだの小物が記憶に残る。
半畳の宇宙は山の手事情社からの団体ということで、その冒頭からかつて見たメソッドや語り口もふんだんに取り入れつつ、観る側を物語に導いていく。
ハムレットは何度か見ているのだが、物語をすべてということではなく、その一部というか枝葉が省かれていることが多くて、ましてや4人の俳優で演じるとなればそれの完全版を演じるなど無理な話、フォーティンブラスもローゼングランツ&ギルデンスターンあたりも出てはこない。でも、そのことが今回の語り口に重なると、物語の骨格の剥ぎ出しとなりその姿が見事に浮かび上がる。山の手事情社的な演じ方だからこその一つずつのシーンを演じ上げる強さもあるし「×AI」を関して切り出す新しさもあるし、一方でその切れ味に編み込まれた遊び心もある。また、描き方のなかで脚立や背もたれ椅子の使い方も生きる。骨格標本のようなハムレットの物語がライブ感を持ち、歩み、その顛末になることに圧倒される。気が付けば時間を忘れて見入った90分強であった。
衣装や音の使い方も洒脱、ノイズの使い方などもうまい。原典からのせりふの切り出しがしっかりと物語全体の血の流れとして機能していることにも関心、演出とそれを演じる俳優たちの力量を感じる。ダイジェスト版といえばそうなのだけれど、単にハムレットの良いところをさらったというだけではなく、「×AI」も物語にライブ感を与えるための良き潤滑剤となって、半畳の宇宙版のならではの筋肉をしっかりと感じることができたハムレットであった。