二つの「リトル・メロネー」
マイルスは1955年10月26日の『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』セッションと、1958年3月4日の『マイルストーンズ』セッションで、同じ曲をレコーディングしています。ジャッキー・マクリーン作の「リトル・メロネー」。
この2つのセッションの間に、ジョン・コルトレーンはマイルスのクインテットを離れ、セロニアス・モンクの元で音楽理論と奏法を学びオリジナリティを身につけていきます。この二つのバージョンを聴き比べると、コルトレーンが如何に成長したかが手に取るように判ります。1955年バージョンのコルトレーンは、セッション初日ということもあり、歌心が感じられるソロではありますがクインテットに馴染もうと遠慮しているように思われます。一方1958年バージョンでは既にコルトレーンの個性が確立され、独立したミュージシャンとして立派にマイルスと渡り合っています。またこの2バージョンはマイルスの音楽がこの3年間でどの様に変化していったかも表しているように思われます。
「リトル・メロネー」は結局上記のどちらのアルバムには収録されず、後にアルバム『1958マイルス』に2バージョンが収録されました。ぜひ聴き比べてみて下さい。
♫ Little Melonae(アルバム『Round About Midnight』収録)※左側 1955年録音
♫ Little Melonae(アルバム『Round About Midnight』収録)※右側 1958年録音