コンサルタントをやっていた頃、 「話がぜんぜん伝わらない人」 が結構いることに、驚いた記憶がある。
しかし上司は、私に対して 「話が伝わらないのは、お前が悪い。」と言った。
それに対して不満を述べると、上司は 「お前の都合など知らん。中学生が理解できるかどうかを判断基準にして話せ。文章や資料も同じだ」と厳しく言われた。
だが私は当時「社会人にそんなことをするのは、失礼なんじゃないか」と思っていた。
大人を中学生扱いするのは、気が引けた。
だが、東大の養老孟司氏の書いた、「バカの壁」を読んで、上司の言っていることが少し理解できた。
"知りたくないことに耳をかさない人間に話が通じないということは、日常でよく目にすることです。これをそのまま広げていった先に、戦争、テロ、民族間・宗教間の紛争があります。例えばイスラム原理主義者とアメリカの対立というのも、規模こそ大きいものの、まったく同じ延長線上にあると考えていい。バカの壁 (新潮新書)"
小難しいことは知りたくない。
面倒そうなことは避けたい。
だから、知りたくないことには耳を貸さない。
そういう人間が世の中にはたくさんいる。この本にはそう書いてあった。
だから「話を中学生にもわかるレベルに落とせ」と上司が指摘するのは「話を聞いてもらわなければならない」コンサルタントという商売には、必須だったのである。
私は、間違っていたのだ。
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