ニホンジカは助走なしでも最大180cmほどの高さの柵を跳び越えます。
ニホンジカの生息密度が高まり、口の届く高さにある嗜好植物を食べ尽くすと嫌いな植物も食べるようになり、それすらも減ってくると、今度は死なない程度に有毒植物さえかじることがあります。
毒があるため鹿が食べないと言われていたアジサイは、吉野や姫路で鹿にかなり食べられました。
奈良公園内のイラクサは、鹿による採食の影響により、他地域のイラクサよりトゲの密度が高い個体が多くなっていますが、その「トゲだらけイラクサ」すらも最近は鹿にかじられています。
鹿が食べないとされ、かつては奈良公園のささやきの小径の両脇にびっしりと生えていたイズセンリョウは、奈良公園ではほぼ見かけなくなりました。
伊吹山ではイブキトリカブト、他の地域ではトリカブト、奈良公園周辺ではアセビといった有毒植物さえも、シカにかじられています。
食欲旺盛でありながら粗食にも耐え、死なない程度に有毒植物をかじってでも、餓死を免れて生き延びる。
このような食性をもつシカから植生や山林に済む他の生き物を守るのは時として非常に困難です。
そして、シカの採食圧の影響を強く受けた山では土砂災害のリスクも高まります。大規模な災害が発生すれば、シカもヒトも含めた生き物が犠牲になります。
シカも含めた動植物すべてを守るためにも、建設的な議論が展開され、有効な対策につながることを期待します。
显示更多