💡 Samsung Electronics 、NVIDIA のカスタムメモリ「NVHBM」で先行か | HBM4E 8段・17〜18Gbpsを開発中 $NVDA $MU $TSM $AMZN
Samsung Electronics が NVIDIA $NVDA のカスタムHBM「NVHBM」供給で中核パートナーの座を先に押さえた、とソウル経済が8月28日に報じた。
同社は NVIDIA の要求に合わせ、当初準備していた12段・16段ではなくHBM4E(第7世代)の8段品を開発している。提示された動作速度は17〜18Gbpsで、初期HBM4Eサンプルの14.4Gbpsを2割上回る。積層高さを3分の1削り、その分を速度に振り替える構成になる。
NVHBMは NVIDIA が現地時間8月26日、NVLink Fusion の拡張として公開した独自規格である。従来はXPU側の演算ダイに載っていたメモリコントローラをHBMスタック内部へ移す設計で、標準HBM4E比で帯域が最大30%向上、HBM消費電力が最大15%低下、演算ダイ側で使える面積が最大25%増える。JEDEC規格比でPHYと周辺回路の面積は最大67%削減され、インターポーザ配線が簡素化されることでパッケージ全体では最大80%多くのシリコンを実装できるとする。NVIDIA 自身は製造せず、複数のメモリベンダーが供給できる標準実装を整える形を取り、第1号パートナーは Amazon $AMZN 傘下のAnnapurna Labsとなる。次世代Trainiumでの組み合わせが想定されている。
8段への回帰は、これまでのHBM競争の前提を反転させる。HBMは4段から8段、12段へと積み上げて容量を稼いできたが、段数が増えるほどDRAMダイを薄く削って精密に積む必要があり、後工程の難易度と歩留まり負担が跳ね上がる。8段は製造負荷が軽く、同じウェハ投入量からより多くのスタックを取り出せる。
Samsung と SK hynix は今年下期、NVIDIA 向けHBM4でも8段比率を引き上げる計画で、発熱管理と供給安定性が主因とされる。SK hynix のCEOは27日、米インディアナ州の先端パッケージ工場起工式後の会見で、メモリ不足が2030年末まで続くとの見方を示している。8段回帰は、この供給制約下でHBM搭載GPUの絶対数を確保するための現実解と読める。
代わりに NVIDIA は速度を取りにいく。NVHBMは2027年後半投入のRubin Ultra世代からの適用が有力とされ、同世代はスケールアップ領域を従来の72基から最大576基へ8倍に広げる。GPU単体のメモリ容量が減っても、より速いHBMを載せたGPUを数百基束ねて全体演算性能を積み上げる設計思想である。
Samsung のHBM4Eラインアップは8段32GB、16段64GBの構成で、16スタック実装なら8段採用時のパッケージ容量は512GB、当初示された1TBの半分に落ちる。一方、HBM4Eの2048ビット幅(16Gbpsで4.0TB/s)を前提に17〜18Gbpsを当てはめるとスタック帯域は4.4〜4.6TB/sとなり、NVIDIA が掲げる標準HBM4E比30%増とほぼ一致する。容量と帯域のトレードオフを、帯域側へ振り切った判断だ。
Samsung が優位に立つ理由は組織構造にある。NVHBMはDRAMだけでなくロジックベースのベースダイ設計と製造能力を要求する。Samsung はHBM4で1c DRAMと自社Foundry 4nmベースダイを組み合わせ、JEDEC標準8Gbpsを約46%上回る11.7Gbps(最大13Gbps)を安定確保した。対してSK hynix はHBM4E向けロジックダイにTSMC $TSM の3nm採用を検討し、Samsung は自社4nmで対応する構図にあり、Micron $MU も標準・カスタム双方のHBM4Eロジックダイ製造をTSMCに委ねている。高積層ではなく速度と開発回転数で勝負が決まる局面では、この一貫体制が効く。
最大の未確定要素は初適用世代である。NVIDIA 自身の発表はNVHBMを将来のGPUのメモリ基盤とするに留め、時期を明示していない。海外メディアの一部は2028年のFeynman世代を初適用先と見る一方、韓国側の報道はRubin Ultraを指す。
より本質的なのは主導権の移動である。ベースダイに載るコントローラが NVIDIA 設計になるということは、HBMの付加価値の一部が製造側から設計側へ移ることを意味する。Micron 経営陣は既に、設計と認証にかかる時間とコストを踏まえれば顧客が3社すべてと組むとは限らず、2社あるいは単独調達へ収斂し得ると指摘している。標準品の汎用化と特注品の囲い込みが同時に進み、供給者の交渉力は案件ごとに大きく振れる。
需要側の温度は依然高い。NVIDIA の2027年度第2四半期(7月26日締め)は売上高962億ドルで前年同期比106%増、データセンター部門は890億ドルで同117%増、第3四半期ガイダンスは1,058〜1,101億ドル、上位5社のハイパースケーラー設備投資は2026年の8,000億ドルから来年1兆3,000億ドルへ拡大する見通しが示された。この需要を前に、メモリ供給の物理的制約をどう回避するかという設計解がNVHBMであり、8段回帰である。積層数を競う段階から、速度と実装数を競う段階へ。AIメモリの評価軸が入れ替わる過程を注視したい。
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