昔から、カラオケやBGMの音量・音質が原因で会話しづらい店が苦手だった。居心地の悪さを感じて、途中で店を出ることもあるほどだ。
ある日、音楽業界の重鎮で、音響にも精通した方と飲みに行く機会があった。「ここは音響にこだわっているから」と連れて行ってもらったのは、小さなカウンターバーだった。
流れている音楽は心地よく、会話を続ける中で、あることに気づいた。
驚くほど相手の声が聞き取りやすい。
「これ、EQなどで会話しやすいように調整しているんですか?」
そう尋ねると、マスターは「まさにその通りです。よく気づきましたね」と答えてくれた。
その瞬間、音響は音楽を美しく聴かせるだけでなく、人と人とのコミュニケーションまでデザインできるものなのだと知った。
この体験が、今回のピピーカーの音作りの原点になっている。
目指したのは、音楽を楽しみながら、自然に会話もできる空間だった。
スピーカーは、ただ音を鳴らす道具ではない。
空間そのものの質をデザインする道具でもある。
何度も試作と調整を重ねて完成したピピーカーは、音楽を主役にしながら、人との時間も邪魔しない。暮らしに自然と溶け込む、新しいスピーカーになったと思う。
もちろん、音楽をじっくり楽しみたいなら、2台接続によるステレオ再生がおすすめだ。音場が大きく広がり、このスピーカーが目指した世界観をより深く体感してもらえる。
音は、音楽を楽しむためだけのものではない。人と人との時間を心地よくすることも、音響の大切な役割だと思っている。
ピヤホンが音楽の聴き方を変えるプロダクトだとしたら、ピピーカーは、音のある空間との付き合い方を変えるプロダクトなのかもしれない。
このスピーカーが、あなたの日常に新しい彩りを加えられたら嬉しい。
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