支払利息が、
決算書に帰ってきます。
10年国債の利回りが、
3%台に乗りました。
1996年9月以来、
約30年ぶりの水準です。
マーケットで意識されているのは、
日銀の追加利上げです。
9月会合での利上げ観測に加え、
その後も追加利上げが続く可能性が、
織り込まれつつあります。
当たり前ですが、
未来のことはわかりません。
ただ、少なくとも、
「金利がほぼゼロ」
という前提だけで、
経営を考える時代ではなくなりました。
税理士の視点から見ると、
これから決算書の中で
存在感を増す科目があります。
それは、「支払利息」です。
借入残高1億円の会社で
ざっくり考えてみましょう。
金利0.5%なら、
年間の支払利息は約50万円。
金利3%なら、
年間の支払利息は約300万円。
同じ借入残高でも、
年間の資金流出は250万円増えます。
粗利率30%の会社なら、
この250万円を補うためだけに、
約830万円の追加売上が必要です。
売上が増えなくても、
人を増やさなくても、
設備投資をしなくても、
支払う利息だけが増えていく‥
このケースでいうと、借入コストだけで、
毎年約830万円分の売上を
新たに作る必要が出てくるということです。
これが、金利上昇のリアルです。
そして、低金利が長く続いたことで、
借入コストを大きな経営課題として
意識せずに済んだ会社も少なくありません。
低金利の環境では、
借入を活用して投資し、
成長を優先する判断が取りやすかった。
コロナ関連融資もそうですね。
しかし、これからは
借入の一本一本に対して、
「この投資は、金利と返済負担を上回る
キャッシュフローを生むのか」
という問いが、
より重くのしかかります。
今、確認して欲しいのは以下の三つです。
①変動金利の借入はいくらあるか
②例えば金利が0.5%から3%に上がった場合、
年間の利息はいくら増えるか
③その追加負担を、今の利益と営業キャッシュフローで吸収できるのか
変動金利の上がり方は、
借入契約ごとにそれぞれ違います。
だからこそ、ニュースの金利だけでなく、
自社の借入一覧と資金繰り表を見てください。
数字を出すのは、
私たち税理士の仕事でもありますが、
数字を見て決めるのは、
経営者の仕事です。
損益計算書の下の方で、
ずっと眠っていた科目が、
そっと目を覚ましてしまいました。
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