83歳の母は、46年間、知的障害のある息子を介護し続けた。
息子は言葉をうまく話せない。
ひとりで生活することもできない。
それでも母にとっては、
何歳になっても大切な我が子だった。
ご飯を食べさせ、
体を拭き、
眠るまでそばにいる。
そんな毎日を、母は46年間続けてきた。
でも、母も少しずつ年老いていく。
自分の体が思うように動かなくなり、
いつか自分が先に死ぬ日が来る。
そのたびに母は思った。
「私がいなくなったら、この子は誰に守ってもらえるんだろう」
施設に預ければ安心なのか。
誰かが本当に、この子の苦しさを分かってくれるのか。
母には、息子を残して逝くことができなかった。
そして母は、息子に睡眠薬を飲ませ、呼吸を止めさせた。
もちろん、許されることではない。
罪は罪だと思う。
でも、46年間ずっと息子の人生を背負い続けた母が、
最後に「この子をひとりにできない」と思ってしまった悲しさを考えると、胸が締めつけられる。
家族の愛だけでは支えきれなかった、
あまりにも悲しい事件だと思う。
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