これまでもGoogle、Facebookが同じことをやってきたらどうする?
という問いは多くあった。
それに対して、「First-mover advantage」や「ネットワーク効果」などが答えで上げられることが多かった。
AnthropicやOpenAIがやってきたらどうする?
この質問に答えるのはこれまで以上に難しい。一夜にして築いてきたビジネスモデルが瓦解するリスクは冗談なしにある...
***
Anthropicがこの100日でやっていることは、新しい技術の発明ではなく「アンホブリング」――Claudeに最初から眠っていた能力の足かせを外し、業界別ツールとしてパッケージ化する作業だ。
4月のClaude Designでは、当日の午後だけでFigmaが7%、Adobeが2%下落。
5月12日にはClaudeを法律業界向けに本格展開。Box・Everlaw・DocuSign・Microsoft 365をつなぐ20以上のMCPコネクタと、M&Aデューデリから就業規則作成まで12の業務領域プラグインを公開。
2月の最初の参入時には、Thomson Reutersが最大18%、RELXが14%下落、LegalZoomは暴落していた。
そして翌5月13日、Claude for Small Businessがローンチ。QuickBooks、PayPal、HubSpot、Canva、DocuSign、Google Workspace、Microsoft 365 に直結し、財務・営業・マーケ・人事・CSをカバーする15のワークフローを「すぐ使える」状態で投入した。
プレジデントのDaniela Amodeiは「中小企業はアメリカ経済の半分を占めるのに、大企業のリソースを持てたことが一度もなかった。AIは、そのギャップを初めて埋められるテクノロジー」と言う。中小企業向けにツールを売っているSaaSにとっては、これ以上ない警鐘だ。
次に来るのはどこか?
私の読みでは、12月までに Claude for Healthcare(EHRと医療請求)、Claude for Real Estate(MLS-CRM-取引管理)、Claude for Construction(プロジェクト管理・積算・入札)が来る。
いずれもソフトウェアが嫌われ、業務がテンプレ化され、既存ベンダーが10年間PDFにレントシーキングしてきた領域だ。
これは「プロダクト化」ではない。垂直型SaaSの売上に対する正面からの直撃だ。