日本は経常黒字だから安心という話があります。でも、残念ながら以前ほど単純ではありません。現在の黒字の中心は、海外工場や外国株などから受け取る第一次所得です。3月だけでも4兆6,307億円の黒字でしたが、その利益が海外で再投資されれば、すぐ円に交換されるとは限りません。その一方で、クラウド、広告、動画配信、ソフトウェアなどの代金は、毎月海外へ流れていく。
日本は物を輸出して円を買い戻す国から、海外で稼ぎ、海外に置いたままにする国へ少しずつ変わっています。
そして市場が最も嫌うのは、政策の袋小路です。
日銀が急いで利上げすれば、住宅ローン、中小企業、国債利払いを圧迫する。
利上げしなければ円安と輸入物価が進む。
減税や給付は暮らしを守るために必要でも、恒久財源や成長戦略が見えなければ、海外投資家には物価高を補助金で覆い、円安の原因は残すと映ります。
4~5月には、政府が過去最大の11兆7349億円を投じて円買い介入をしました。
それでも163円へ戻った事実は重い。
介入する余力がないのではありません。しかし介入は、流れを変える治療薬ではなく、急落を止める止血剤なのです。
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