奪われたものー わたしの 顔の半分と
むすこのからだ全部と
「かあちゃん」とよびかけてくる声と
父親似の 笑い声と眼と
みどりの葉と
ゆたかなみのりと
祖国と
(四國五郎「無題」)
ひろしまの反戦平和の詩画人、四國五郎さんは献本の際、本の扉にしばしば次の言葉を書いたそうです。
「ひとの悲しみが わたしの胸の底から 怒りを引き出しますように」
五郎さんの長男・光さんはこの言葉を「『他者の悲しみや痛み』を『自分のもの』として共有するための表現活動だ、という宣言」、「他者の記憶を共有するための橋渡し」とのべておられます。
「ひとの悲しみが わたしの胸の底から 怒りを引き出しますように」
そして、あなたの胸の底からも、怒りをひきだしますように。
(新編『四國五郎詩画集 母子像』後記より)。
人びとは、毎年8月6日になると思い出し、過ぎるとまた忘れていく。人の世に熱あれ、ほんとうの怒り持て。二度と過ちをくり返さないために。7日の朝に、本書を開いて、あらためて四國五郎さんの叫びを聞いた気がしました。
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