2026年7月24日夜に #ムニ『#巨体』を観ました」。会場はアトリエ春風舎。
ネタバレがあります。
会場に入ると大きくて白くてふわふわ感のあるものが舞台面を大きく占有している。すこし目が慣れてくると齧歯目の動物のぬいぐるみが3匹おかれていることにも気付く。
3人での舞台。始まるとせりふはポップに、そして様々に変化球に組まれ時にスクラッチように音を飛ばし戻り語られる。はじめはそのリズムに翻弄されているのだけれど、やがてそのなかに犬、巨体の妹、その姉、姉妹を訪れる不動産屋の男という物語の構図が浮かび上がる。クロスして演じられる役柄、動物のぬいぐるみはしゃべる玩具でそれも後半にはにぎやかしにはいる。カオスにも思えつつ、物語がしっかりと刻まれていく。せりふの面白さに加えて照明も時に呼吸をするように巨体を彩る。あるいはその内側の影を透かして見せる。登場人物たちの言葉が重なるうちに気が付けばその家の風景にまで取り込まれている。不思議。
衣装も三人三様でそのデザインはキュートな犬だったり街の風景だったり派手なスーツだったりもするのだけれど、それを空間の色を成しその歩みに馴染む。行き場のなさや閉塞、悲劇に醸される喜劇のテイストに観る側も踊る。その先に物語の顛末が体感を伴って渡されることに釘付けになる。
そもそも、冷蔵庫に貼られていそうなチケットがわりのマグネットシールからしてそうなのだけれど、そこには研がれた箍のはずれ方をした遊び心があふれていて、終わってみればそれがデフォルメされつつ登場人物それぞれの心情の鈍にも醒め方にも昇華していることに驚嘆。
巨体の女性とその世話をする姉のもとに不動産屋が立ち退きを迫り、姉は出ていき妹は台車でその部屋から引き出されるという筋立て。気が付けばそこに立体的な想いの肉がつき、温度が生まれ、巻き込まれていた。
終わってみれば、相変わらず目の前の空間を占有しているその白い物体には一人の恰幅のよすぎる女性の風貌と時間が残る。姉や不動産屋の割り切り方も渡される。作り手、演じ手、美術、照明、音響総がかりでのその表現の底力に暫し愕然となる。
物販で表紙をその美術と同じ和紙で作ったという戯曲を購入。観るのとはまた違う言葉たちの豊かさや遊び心が印象が残る。実は一筋縄ではとらえきれない奥行きを持った作品なのだと感じた。
#ムニ巨体
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