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八十八夜商店街#
⚠️物語はフィクションです。
八十八夜絵本物語📖
【帽子の下の猫耳】🐱
関西の八十八夜。
この街では、猫耳の娘たちが歩いていても、誰も不思議には思わない。🐱
商店街で買い物をする猫耳。
バイクで走り去る猫耳。
喫茶店で猫耳を揺らしながら、のんびり珈琲を飲む猫耳たち。
それが、八十八夜の日常の一つ。
けれど――。
街を離れれば、少しだけ事情が変わる。
普通の人にはない耳。
それは、時として好奇の目を向けられることもある。
だから猫耳たちは、遠くへ旅行するとき、ちょっとした工夫をする。
帽子を被るのだ。
別に、恥ずかしいわけじゃない。
猫耳が嫌いなわけでもない。
ただ、特別な存在として見られたくないだけ。
普通に街を歩いて。
普通に買い物をして。
普通に旅行を楽しみたい。
それだけのことだった。
東京の予約したホテルへ向かう、
賑やかな通り。
黒い帽子を被った猫耳娘が、
夕暮れのネオンの下を歩いている。
お気に入りのジャケット。
少し大きなローファー。
花柄のうさ耳バッグ。
帽子の下には、いつもの猫耳。🐈️
誰にも気づかれない。
「ふふっ(笑)」
それが、なんだか少しおかしかった。
ところが――。
東京には、帽子を脱いでも平気な場所がある。
東京ディズニーランド。
そこでは、猫耳も珍しくない。
猫耳のカチューシャをつけた人たちが、楽しそうに歩いている。
だから、本物の猫耳を出していても、誰も気にしない。
🐱
「ここなら帽子、いらないね(笑)」
猫耳が、ぴょこんと立った。
周りを見渡す。
猫耳。
ウサギ耳。
いろんな耳が、楽しそうに揺れている。
「なんだか八十八夜みたい(笑)」
誰かが笑った。
自分たちの街では当たり前のことが、遠く離れた場所では珍しくなる。
そして、また別の場所では当たり前になる。
不思議なものだ。
脱いだ帽子をバッグにしまう。
今日は一日、耳を隠さなくていい。
もっとも――。
😊
「その猫耳、どこで買ったの?」
そんなことを聞かれたら、ちょっと困る。
🐱
「……非売品です(笑)」
猫耳が、ぴくりと動く。
八十八夜からやってきた猫耳娘。
東京旅行は、まだ始まったばかり。