【短編】トロッコ問題と幸せな生首
すぐに喪服をクリーニングに出した。家に置いておきたくなかった。親友の葬儀の臭いを消したかった。
同じ団地育ちの親友――奴が消えた。
電車の轢死だった。
二十になったばかりだった。
線路に転落した視覚障害者の少年を助けて、電車に轢かれて粉々になった。
あいつは、そういう奴だったよ、昔から。いじめっ子をかばっていじめられ、捨て猫は小遣いをはたいて病院に連れていき、保護猫団体に預けて、人助けしかしてこなかった。あんな善人を、神は善行で殺した。
トロッコ問題と幸せな生首 - カクヨム
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