・ギターの練習描写について
先日の「Fコード問題」の投稿に、温かい反響をいただきありがとうございました。
面白い機会だったので、ギターの練習描写について、少しだけ私なりの考えを書いてみます。
バンドものの物語のなかで、Fコードは「分かりやすい最初の壁」として描かれることが多いと思います。
導入として、とても有効な表現です。
ただ、エレキでロックを演奏する現場に限っていえば、「まずフルのFメジャーを完璧に押さえろ」が最優先になる場面は、意外と多くありません。
歪みを乗せると構成音が増えるほど音がぶつかりやすく、かえって輪郭が崩れることもあります。
そのため実際には、パワーコードや部分押さえ、別のポジションで代用することが少なくありません。
ですので、エレキの練習風景をリアルに描くなら、オープンFを完全にマスターするより、メトロノームに合わせてシンプルなスケール練習を繰り返し、右手と左手を同期させていく様子や、余った弦を止めるミュートの描写に重点を置くと、より現場に近くなるように思います。
とくにミュートは、実際に弾いている人ほど敏感に感じる部分です。
「押さえることより、鳴らしたくない弦を止める方が難しい」
そこを丁寧に描けると、ギタリストの方にはかなり届くのではないかと思っています。
・エレキなら
「押さえられない」より、「余計な弦が鳴る」「リズムが逃げる」
「上手く決まった瞬間」より、「あと少しで届かない感じが続く」感覚。
・ベースなら
「ドラムとの噛み合わせ」「主旋律の隙間を埋める意識」「目立つ音より外さない音」
こうした部分を意識して書くと、実際に音楽をされている方にも共感してもらいやすいのではないかと考えています。
「リアルな音楽小説を書いてみたい」という方がおられましたら、何かの参考になりましたら嬉しいです。
私も、これまでの音楽作品とは少し違った切り口で、音楽を描いていきたいと思っています。
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