「利権で税金を無駄遣いするより、国がホテルに補助出して被災者を泊まらせろ。声を上げる国会議員はいないのか」という意見がありました。真面目に答えると、「東日本大震災の時から毎回やっているが、避難者が望まないのでうまくいかない」ということです。↓
キャンセルされたホテルに泊まらせればいいと言うのは、行政関係者ならすぐ思いつくことです。避難所に物資を運搬するより、人を被災地から出してしまう方がロジが楽だからです。しかし、多くの被災者はそのような選択を希望しません。自宅や職場からかなり離れることになるからです。
避難を継続する理由の大半は、ライフラインが復旧できていないから。ライフラインが途絶しているホテルには泊まれないので、宿泊先は被災地から離れた場所になります。
しかし避難者は、自宅周辺から動きたがらない人が大半です。戻れるならすぐにでも自宅に帰りたいと思っているし、多くは世帯の誰かが地元で仕事しているし、留守にする自宅も気になるし、ご近所との人間関係もあるからです。その結果、被災地からや離れた場所のホテル等を無料で提供しても、行きたがる人は少数にとどまります。
これまでの災害で、ホテル避難が成功した例はあまりありません。ただ能登の地震では、奥能登へのロジが非常に困難で、県が避難者に非常に強い働きかけを行い、多少は機能したと聞いています。それでも目標の2割程度でしょう。
能登地震で一定の成果があったのは、主な宿泊先が馴染みある大都市・金沢だったことも理由のひとつです。これが山中の温泉街や海沿いの景勝地だったら、希望者はさらに少なくなるでしょう。被災者と観光客は違います。精神的なことを考えても、半日程度くつろぐならともかく、何日も悠長に温泉に浸かっていられるでしょうか。
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