レバレッジETFのがボラティリティを上げる仕組み
レバETFは、普通に「信用で2倍ポジションを持つ」のとは違う。
普通のレバレッジ取引なら、基準は基本的に「買った時点」。
たとえば100万円で200万円分のポジションを持つ。
そこから原資産が20%上がれば、ポジションは40%分儲かる。
原資産が20%下がれば、ポジションは40%分損する。
原資産が上に行って戻ってきて、価格が元に戻れば、損益はゼロ。
つまり、買った時点を基準にして、そこからの値動きが2倍になるだけだ。
でも、いわゆるレバETFはそうではない。
たとえば2倍レバETFなら、
「毎日、1日1日の値動きが2倍になるように作られている商品」
である。
そのために、毎日ポジション量を調整する必要がある。
これをリバランスと言う。
例えばMUUのような2倍レバETFで考える。
最初に、商品の資産価値が100万円あるとする。
2倍ETFなので、200万円分のポジションを持つ必要がある。
開始時の状態:
資産価値 100万円 ●●●●●
ポジション量 200万円 ●●●●●●●●●●
レバ倍率 2.00倍
この状態なら、その日1日はちゃんと2倍で動く。
例えば原資産が10%上がると、200万円分のポジションが10%上がる。
つまり20万円儲かる。
すると、+10%の1日終了後の状態はこうなる。
資産価値 100+20=120万円 ●●●●●●
ポジション量 200+20= 220万円 ●●●●●●●●●●●
レバ倍率 220 ÷ 120 = 1.83倍
しかしここで問題が起きる。
このまま翌日を迎えると、レバ倍率は1.83倍のまま。
つまり、原資産が10%上がっても、ETFは20%ではなく約18.3%しか上がらない。
これでは2倍ETFではなく、1.83倍ETFになってしまう。
だから、レバ倍率を2倍に調整する必要がある。
資産価値が120万円になったので、翌日も2倍ETFであるためには、
120万円 × 2 = 240万円
分のポジションが必要。
でも今は220万円分しかない。
だから、
240万円 - 220万円 = 20万円
分を買い足す必要がある。
これがリバランスである。
リバランス後の状態はこうなる
資産価値 120万円 ●●●●●●
ポジション量 240万円 ●●●●●●●●●●●●
レバ倍率 2.00倍
この状態なら、翌日に原資産が10%上がったとき、ちゃんとETFは20%上がる。
つまり、原資産が10%上がった日は、20万円分を買い増しをする必要がある。
これは開始時資産価値100万円の20%にもなる。
上がったら、さらに買い増しや〜〜という超イケイケ戦略である。
では逆に、原資産が10%下がった場合はどうか。
200万円分のポジションが10%下がるので、20万円損する。
1日終了後の状態
資産価値 80万円 ●●●●
ポジション量 180万円 ●●●●●●●●●
レバ倍率 180 ÷ 80 = 2.25倍
こんどは資産価値が80万円に減った。
でもポジション量は180万円残っている。
するとレバ倍率は、
180 ÷ 80 = 2.25倍
になってしまう。
このままだと、翌日は2倍ETFではなく2.25倍ETFになる。
つまり原資産が10%変動すると、ETFは22.5%変動してしまう。
これでは2倍ETFではない。
だから、2倍に戻す必要がある。
資産価値が80万円になったので、翌日も2倍ETFであるためには、
80万円 × 2 = 160万円
分のポジションにしないといけない。
でも今は180万円分ある。
だから、
180万円 - 160万円 = 20万円
分を売る必要がある。
リバランス後の状態
資産価値 80万円 ●●●●
ポジション量 160万円 ●●●●●●●●
レバ倍率 2.00倍
つまり、原資産が10%下がった日は、20万円分を売っている。
これは開始時ポジション量200万円の10%、開始時資産価値100万円の20%にあたる。
まとめると、
上がった日
→ レバ倍率が下がる
→ 買い増ししてレバ2倍に戻す
下がった日
→ レバ倍率が上がる
→ 売ってレバ2倍に戻す
レバETFは、レバを一定に保つために毎日このリバランスをしなくてはいけない。
これが、レバレッジETFがボラティリティを上げる仕組みである。
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⚠️SK Hynixの荒い値動きは業績でなく世界最大級130億ドルの2倍レバETFが作る|荒れる日は売買の3分の2をこの一本が飲む $EWY
SK Hynix の株価が一日で二桁動く日が増えた。直近も、寄りから引けまでのあいだに安値と高値の幅が二割近くまで開いたセッションがある。この振れを見ると、決算か需給か、なにか業績の材料を探して説明したくなる。だが今回、震源は会社の側にない。
香港に上場する CSOP の SK Hynix 2倍レバレッジ ETF は、運用資産が約130億ドルまで膨らんだ。単一銘柄に2倍で賭けるファンドとしては世界最大で、いまや SK Hynix の年間の一日平均売買代金のおよそ二倍を、たった一本で抱える。韓国国内でも5月末に単一株レバレッジ ETF が解禁され、Samsung と SK Hynix を対象に十六本が一斉に走り出した。関連商品を合わせた残高は約190億ドル、SK Hynix の一日の売買代金の四倍を超える。
レバレッジ ETF は毎日、目標倍率を保つために建玉を組み替える。株が上がれば買い増し、下がれば売る。値動きを均す装置ではなく、増幅する装置だ。だから相場が荒れる日ほど機械的な売買がふくらみ、荒れたセッションでは SK Hynix の出来高の三分の二までをこの手の商品が占めることがある。解禁からの数字がそれを裏づける。SK Hynix の日中変動率は平均5.1%から7.8%へ、Samsung も4.4%から6.8%へ広がった。そして SK Hynix は KOSPI の約28%を一社で背負う。単一 ETF の建玉の揺れが、韓国の指数そのものを動かす構図になっている。
規制側はすでに動いている。金融監督院トップの Lee Chan-jin 氏は、上場を止めなかったことを「寝転んででも止めるべきだったと、個人的に反省している」と語った。証券会社が得た手数料は30億〜64億ドルと試算され、その稼ぎは個人投資家の負担の裏返しにある。取引所は SK Hynix を対象とする三本を投資注意銘柄に指定し、基準価格との乖離は一時86%まで開いた。当局はいま上場規制そのものの見直しに入っている。
投資家がここから引き出すべきは、SK Hynix の値動きを需要のシグナルとして受け取る前に、その日の振れがどれだけレバレッジの組み替えで水増しされているかを疑う癖だ。メモリそのものの強気は変わらない。変わったのは、価格を運ぶ配管のほうだ。世界の投資家が Korea 株をまとめて持つ $EWY にも、この増幅と規制介入の芽は同じ経路で伝わってくる。
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