保守言論が繰り返す「力の空白を埋めなければ侵略される」という主張は幻想です。
日本が長距離ミサイルを配備し、武器輸出を拡大して空白を埋めようとすれば、中国はそれ以上の軍拡で応じます。すると日本は再び軍拡し、中国もさらに軍拡する。
これをセキュリティ・ジレンマと言います。
「力の均衡」など永遠に成立せず、待っているのは終わりなき軍拡競争だけだということを認識すべきです。
最近では「中国に核を使わせないために日本も核武装すべきだ」という暴論まで聞かれますが、現実は逆です。
日本が非核保有国である限り、中国が核を使えば非核保有国への核使用という計り知れない政治的・外交的代償を負います。
しかし、日本が核武装すれば、相手も核保有国だという状況を自ら作り出し、中国にさらなる核戦力の増強と核による威嚇の口実を与えることになります。
しかも、中国は日本の核武装に対し、さらに核戦力を増強するでしょう。結局、「力の空白を埋める」という発想は、安全保障ではなく、終わりなき軍拡と戦争リスクの拡大を招くだけの愚論にすぎません。
「軍拡すれば平和になる」と本気で信じている脳天気な保守は、この無限スパイラルの先に待つ破局を想像したことがあるのでしょうか。
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