今を書く
日本の原油備蓄量 本当に何日分なのか
政府は、日本の石油備蓄について「約240日分」「過去には254日分」と発表してきた。
しかし、この数字を見る時に重要なのは、「1日分の消費量をいくらで計算しているか」という点である。
政府が備蓄日数を算出する際の基準は、約170万バレル/日で計算されている。
そこで、254日分と発表された時点の実際の備蓄量を逆算すると、
170万バレル × 254日
約4億3180万バレルとなる。
これをキロリットルに換算すると、
約6860万kl
となる。
つまり、254日分という数字は、日本全体の石油消費量ではなく、政府が定めた算定基準による数字である。
一方、日本全体の石油需要を見ると、ガソリン、軽油、灯油、航空燃料、ナフサなどを含めて約300万バレル/日規模になる。
この実際の消費量を基準にすると、基準日時点の備蓄量は、
4億3180万バレル ÷ 300万バレル
約144日分となる。
ここから、現在までの変化を見る。
基準日から7月19日まで約135日。
この期間、日本国内では、
300万バレル × 135日
約4億500万バレル
を消費した計算になる。
一方で、日本はこの間も原油輸入を続けている。
確認できる輸入実績では、
3月 約710万kl
4月 約407万kl
5月 約729万kl
となっており、6月以降も一定量の輸入が継続している。
これらを合計すると、3月から7月中旬までの輸入量は概算で約3000万kl規模となる。
そこで収支を見る。
基準時点の備蓄量
約6860万kl
そこから国内消費
約6440万kl
を差し引き、
輸入分
約3000万kl
を加えると、
現在の残量は単純計算で約3400万kl規模となる。
これを日本全体の石油需要で換算すると、
約3400万kl × 6.29
約2億1000万バレル
2億1000万バレル ÷ 300万バレル
約70日分
となる。
ただし、実際の備蓄管理には国家備蓄、民間備蓄、産油国共同備蓄、製油所在庫など複数の要素があり、単純計算だけでは最終的な供給可能日数は決まらない。
しかし重要なのは、「240日分」という数字だけを見るのではなく、その数字がどの消費量を基準に算出されているかを確認することである。
エネルギー安全保障を考える上では、政府基準の備蓄日数と、日本経済全体を維持するための実質的な供給余力を分けて考える必要がある。
顯示更多