【市長さんに愚痴を言ってごめんなさいね】
今日も避難所を回り、皆さんのお話を伺いました。
少し辛そうな表情をされていた高齢の女性に、「どうぞ遠慮なく、何でも話してください」と声をかけました。
すると、「市長さんに愚痴を言ってごめんなさいね」と涙を流しながら、心配事を話してくださいました。
関東から熊本に引っ越してきて40年。
「熊本での生活は本当に楽しかった。山も海もあって、自然に恵まれていて、本当に熊本がいいと思っていた。それなのに10年で2回も被災して、部屋もめちゃめちゃになった。これからまたやり直さないといけないと思うと、本当に悔しい」
そう話される姿を見て、胸が詰まりました。
でも、しばらくすると「市長さん、私が撮った花を見て」と、スマートフォンに保存されている美しい花々の写真を次々と見せてくださいました。
花の話をしているうちに少しずつ笑顔が戻り、最後には「市長さんも大変なことばかりだけど、頑張って」と、逆に私の方が励ましていただきました。
一方で、少しずつ元の生活に戻られる方も増えています。
ある男性は「避難所にはずいぶんお世話になりました。クーラーの修理ができたので、家に帰って生活を取り戻します」と話して退所されました。
避難所にいらっしゃる方の事情は、本当に一人ひとり違います。
発災11日目となった今だからこそ、今日の災害対策本部会議では、職員の皆さんに、一人ひとりの悩みや困難に寄り添い、しっかり話を聞いてほしいと指示しました。
手続きや支援制度をご案内するだけが支援ではありません。
雑談でもいい。愚痴でもいい。
まずは話を聞き、心の中にたまっているものを少しでも吐き出していただく。そして、そこから見えてきた困りごとを必要な支援へつないでいくことが大切です。
これから避難生活も次の段階に入ります。
まだ自宅に戻ることが難しい方には、明日から、洗濯やシャワーなどの設備を整えた拠点となる避難所へ移っていただき、仮設住宅など次の住まいが整うまで、少しでも快適に過ごしていただけるよう環境を整えていきます。
一方、これまで避難所として使用してきた公民館なども、順次、本来の役割に戻します。
今日訪れた公民館でも、「いつから利用できますか」という地域の方からの電話がひっきりなしにかかっていて、職員が「来週から通常どおり開館します」と答えていました。
被災された方を最後のお一人までしっかり支えること。
そして、地域の日常を一つひとつ取り戻していくこと。
避難所の形や場所が変わっても、支援が終わるわけではありません。
一人ひとりの事情や悩みに寄り添いながら、皆さんがそれぞれの暮らしを取り戻せるよう、熊本市としてしっかり支えていきます。
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