現役時代の特に若いころの僕は正直「いつか引退する日」のことをほとんど考えていなかった。
いや正確には考えないようにしていたのかもしれない。
毎週末の試合に勝つ。
次のシーズンも生き残る。
レギュラーの座を勝ち取る。
プロの世界は結果がすべて。
少しでも立ち止まれば置いていかれる。
未来を考える余裕なんて当時の僕にはなかった。
でも20代後半から30代に入ると嫌でも現実が見えてくる。
体は少しずつ変わってくるし若い選手が台頭してくる。
そして気づく。
「サッカー選手でいられる時間は永遠じゃない」と。
そこで初めて自分の人生と向き合い始めた。
引退後の道は無数にある。
指導者になる人。
クラブのフロントに入る人。
会社を立ち上げる人。
会社員になる人。
まったく別の世界へ飛び込む人。
でも僕は「何になるか」よりも大事なことがあると思っている。
それは、
「どんな人生を生きたいか」
だ。
肩書きは人生を幸せにしてくれない。
監督になっても満たされない人はいる。
会社を経営しても苦しい人はいる。
逆に派手な肩書きがなくても充実した人生を送っている人もいる。
違いは何か。
自分が本当に望む人生を理解しているかどうかだと思う。
家族との時間を最優先したいのか。
誰かの成長を支えたいのか。
大きな挑戦を続けたいのか。
地域や社会に価値を残したいのか。
そこが見えていないと仕事選びは簡単に迷子になる。
だから現役の選手に伝えたいのは、
「今すぐ副業を始めろ」でも、
「資格を取れ」
でもない。
まず考えてほしい。
『サッカー選手ではなくなったあとに自分はどんな人生を生きたいのか』
その問いから逃げないこと。
セカンドキャリアは引退してから始まるものではなく現役の今この瞬間から始まっている。
それだけでも引退後の景色はまったく違うものになるはず。
顯示更多