元ひめゆり学徒隊だった女性は、戦後長く音楽教師をしていて、とても上品な語り口で、沖縄戦を振り返るときも、悲しみの目ではありながら、静かに語る方だった。しかし、日本軍の話になった途端、怒りと涙の合わさった目で語り出した。「父は、日本軍に協力していたのに、スパイと疑われて殺された」。沖縄方言を使ったり、吃音があったりするだけで大勢の人が殺された。同じ日本人なのに、自分達と違う人々と決めつけた途端、見下げて、疑う。そして情け容赦ない処断を下す。根拠のない非論理的思考で、他者を疑う。残虐な日本兵は、いまもいないだろうか。すぐに他国のスパイを疑う人が。
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