KSK2で、税務署が「確認しやすくなる」5つのケース
(注)「AIに狙われる人」の話ではありません。
いよいよ明日、国税庁は
国税システムの更改を予定しています。
そのシステム、KSK2は、
申告・納税の事績、決算事績、法定調書などの資料情報を、
地域や税目をまたいで一元管理し、
多角的に分析して、税務調査の対象選定を支援する基盤です。
紙で出された申告書等も、
AI-OCRを併用してデータ化されます。
ただし、巷で言われているような
「AIが全員の口座を常時監視する」
「不整合が出たら自動で調査が入る」
という仕組みではありません。
国税庁は、申告書や資料情報を分析した上で、
最終的に職員が調査の要否を判断します。
そして、具体的な選定基準は公表されていません。
その前提で、
申告内容と取引実態について、
説明を求められやすい5つのケースを整理します。
① 会社とオーナー・親族との取引が多い同族会社
役員貸付金・役員借入金、
親族への給与や外注費、
会社負担の私的支出、
資産の無償・低額利用。
法人と個人・親族の間にある取引を、
契約書、議事録、請求書、給与台帳、
源泉関係書類、支払記録で、
一貫して説明できますか?
② 申告・決算の数字に、大きな変動や説明困難な差異がある会社
売上、原価、外注費、人件費、粗利率、役員勘定。
前年・月次・取引実態と比べて大きく動いた数字を、
契約書、請求書、資金の流れで説明できますか?
法人税と消費税の売上関連数値に差があっても、
それ自体が問題ではありません。
非課税・不課税取引、輸出免税、期首期末の調整、
税込・税抜処理など、差が出た理由を説明できるかが重要です。
③ 海外取引・海外資産がある個人・法人
1回100万円を超える海外との送受金については、
金融機関から国外送金等調書が税務署へ提出されます。
年末時点で合計5,000万円を超える国外財産を保有する人には、
国外財産調書の提出義務があります。
国税庁は、CRSによる金融口座情報の国際的交換、
国外送金等調書、国外財産調書などを、
他の資料情報と併せて分析・活用しています。
海外取引は問題ではありません。
契約、価格設定、送金目的、源泉税、外国税額控除、資産評価を、
一貫して説明できることが重要です。
④ 無申告、または副業・ネット取引・暗号資産等の所得を申告していない人
少額だから、
ネット上だけの取引だから、
暗号資産は円にしていないから、
その判断はとても危険です。
法定調書、取引先・プラットフォーム事業者等への照会で得た情報、
取引記録、公開情報などから、
申告の必要性を確認されることがあります。
売上、手数料、必要経費、入出金を記録し、
申告要否を確認することが必要です。
⑤ 複数の地域・税目にまたがる取引や資産を持つケース
地域や税目をまたいだ情報の一元管理は、
KSK2の役割の一つです。
例えば、法人・所得・源泉・消費・相続・贈与など、
関連する申告や資料情報との関係で、
説明が必要になる場合があります。
最早、一昔前はよく言われていた
地域を分ければ見つからない、
法人と個人を分ければ見えない、
という時代ではありません。
KSK2時代に必要なのは、
AIに見つからない帳簿ではありません。
申告書、帳簿、契約書、請求書、資金の流れを繋げて、
どの数字も自分の言葉で説明できる状態かどうかです。
税務調査で問われるのは、
「AIに狙われたかどうか」ではなく、
その数字が取引実態と証憑で説明できるかどうかです。
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