2026年産米の概算金が、各産地から示される時期になりました。
概算金とは、JAが農家から販売を委託された米に対して、集荷時に支払う仮渡金です。最終的な手取り額ではありませんが、その年の米価を方向づける大きな指標になります。
一例として、新潟県産一般コシヒカリ1等の当初概算金を見てみると、玄米60kg当たり、2023年産は13,900円、2024年産は17,000円、2025年産は30,000円。そして2026年産は18,500円です。
自分がつくったものの価格を、自分で決められない。私なら、なかなか耐えられないと思います。そうした状況のなかで田んぼを守り続けてくださっている農家の皆さんには、本当に頭が下がります。
ハッピー太郎醸造所では、農家さんから直接お米を買い求めています。農法や取引量などによって異なりますが、現在の買取価格は玄米60kg当たり24,000円から64,800円です。
とりわけ、どぶろくに使う米は無肥料・無農薬栽培と定めており、36,000円以上で買い取っています。
酒造会社8社を対象とした調査では、山田錦1等の平均仕入価格は、玄米60kg当たり2024年産が27,000円、2025年産が33,200円でした。私たちは、2025年産の記録的に高い山田錦を上回る水準で、それ以前から無肥料・無農薬米を買い続けています。
私自身、若い頃に山陰の中山間地へ移住し、農家さんと一緒に泥まみれになって汗を流した経験があります。
どれだけ手をかけても、天候によって収量が上がらない年がある。それでも田んぼに立ち、懸命に米をつくり続ける。その姿を間近で見てきました。
だからこそ、その仕事と気概に対して、買い叩くようなことはしたくない。農家さんが続けられる価格で米を買い、その米をどぶろくにして、きちんと次の価値へつないでいきたいと考えています。
ハッピー太郎醸造所は、経済的な規模で見れば小さな事業かもしれません。
けれど、小さいからこそ、まずは目の前にいる人を幸せにできる仕事でありたい。目の前の人たちを幸せにできない事業構造であるなら、私にとって挑戦する意味はありません。
農家さんが、誇りを持って米をつくり続けられる価格であること。
一緒に働いてくれているスタッフが、自分の仕事に誇りを持てるお給料であること。
そして何より、私たちのどぶろくをお召し上がりいただいた方に、夢のような幸せを味わっていただくこと。
その三つを、どれかひとつではなく、すべて成り立たせる。
それが、ハッピー太郎醸造所の挑戦です。
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