『急に具合が悪くなる』鑑賞してきました。
いち福祉関係者のはしくれとして観ても、介護現場の現状や問題点、そして現場で働く人々の声を解像度高く描いている作品だと感じました。一部で話題になっているユマニチュードについても、決して荒唐無稽なものではなく、現場感覚として頷ける部分が多かったです。
ただ、僕はこの映画が「介護現場はどうあるべきか」を描いた作品だとは思いませんでした。
むしろ問いかけているのは、「他人の痛みに寄り添うことはできるのか」「その傷を癒すことは可能なのか」「人はどう生きるのか」という、もっと普遍的なテーマだったように思います。
比較的死に近い場所で働いてきた人間として、僕自身も「仕事人としてどうあるべきか」を考えることがあります。Person-Centered Careという考え方はまさにその一つですが、ユマニチュードしかり、こうした実践は決して一朝一夕で身につくものではありません。
また、それは単なる技術論でもないと思っています。
手間暇をかけて情報を集め、相手を観察し、記録し、その人に合ったケアを考え、実践する。そして上手くいかなければまた考え直す。その繰り返しの中に、ケアの本質があるように感じます。
そもそも誰かと対峙し、互いを尊重し、許し合い、時間を共有する。たったそれだけのことに、私たちはプライベートですら四苦八苦しているではありませんか。
だからこそ、人に寄り添うという営みの根底には、有り体な言葉ではありますが「愛しあうこと」があるのだろうと思います。その意味では、僕自身まだまだ落第生ですが……。
この映画は、もっと多くの人に観られてもいい作品だと思います。
ユマニチュードも、ケアの在り方も、きっと答えは一つではありません。だからこそ、こうした作品をきっかけに議論が続いていけばいいなと思います。
そして僕自身も、時間を作って原作を読んでみようと思います。
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