児相問題の本質を抉り出した「金銭的インセンティブの存在」という国連子どもの権利委員会勧告について、従来「子どもの権利」の代弁者であるかのようにふるまってきた「子どもの権利条約総合研究所」やこれに関連する人々がどういう所見をだしているか、ここに暴露しておく(出所は、荒牧重人・平野裕二「国連・子どもの権利委員会による日本の第4回・第5回報告書審査と総括所見」『子どもの権利研究』30号、2019年、p.87。有償雑誌なので掲載は該当箇所のみ)。
まず、28(c)の外務省訳にある「疑惑」という訳語を「主張されている」と無味乾燥な訳にしている。原語はalleged。alleged murdererは、「殺人容疑者」という意味で、犯罪行為など悪事の疑いに使われる。それゆえ外務省訳がたいへん適切なのだが、児相が悪事を働いているという印象を著者らは作りたくないのだろう。
しかもそれでは飽き足らず、著者らはこの勧告に「偏った認識」と悪罵をなげつけ、さらに、自分たちの主張の正統性の根拠として「政府代表団が明確に否定」とまで言ってのける。
では、審査当日政府代表団がどのように否定したかと言えば、出席した厚労省担当者は児相予算は人口規模で決まるなどと、国連委員に向かってあからさまな嘘を吐いたのだ:
この嘘が、荒牧・平野氏にとっての「真実」ということらしい。政府を擁護したいあまり、児童相談所の財政についての無知を白状してしまった。
少なくとも児童相談所に関する限り、子どもの権利条約総合研究所やそれに関係する人たちは、事程左様に政府べったりなのだ。児童相談所が子どもたちや家族に及ぼしている権力性の認識など、微塵もない。
これまで、子どもの権利委員会は自分たちの味方、自分たちを代弁してくれる、使い勝手良い便利な存在と認識してきたのだろう。だがひとたび自分たちと違う主張に接するや、180度背を向けて、「委員会に対する信頼を低下させかねない」などと悪罵を投げつける。
信頼が低下するのは、子どもの権利委員会勧告に背を向けてまで人権侵害の児童相談所に抱き着き擁護しようとする、荒牧・平野氏や子どもの権利条約総合研究所の人々なのだが。
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