皇位継承問題には、完全な正解などない。男系を守れば、民意との距離が問われる。女性天皇を認めれば、その先の女系をどうするかが問われる。旧宮家を迎えれば、血縁の遠さと当事者の意思が問われる。だから必要なのは、結論を急ぐ力ではない。異論を抱えた人々が、敗北したと感じずに受け入れられるまで説明を続ける忍耐である。
皇室に関する合意とは、全員が同じ考えになることではない。
自分の望んだ結論ではなくても、「これほど丁寧に議論したのなら受け入れよう」と国民が思える状態をつくることだ。
天皇は、政治の頂点に立つ存在ではない。
政治がどれほど激しく争っても、その争いの外側に立ち続ける存在である。
ならば皇室典範を改める政治にも、通常の法案以上の静けさと節度が必要だ。
血筋を守ることだけが、皇室を守ることではない。
皇室を政党の所有物にしないこと。
それこそが、男系か女系かを超えて、私たちが最初に守らなければならない皇室の伝統なのだと思う。
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