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クレア|日常の違和感言語化係
@kureakurea01
日常の「ん?」を文学・物語・推理・学びへ。仕事、人間関係、都市伝説、ニュース、投資、食に潜む、まだ名前のない違和感を拾い、日常と感情の翻訳をする名もなき社説執筆者です。誰かが言葉にできなかった感情を、世界中にいる誰かの心に届く物語へ。あたしは日本も世界も大好きです。
加入 September 2023
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病院の受付で、母親が「早くて半年後です」と告げられるのを聞いた。半年後、大人の半年は予定表の数枚だが、子どもの半年は長い。教室へ行けない日が重なり、自信を失い、友達との距離が開き、家族まで疲弊するには十分な時間である。診察を待つ間にも、困りごとは育ってしまう。日本の「子どものこころ」を診る専門医は、児童10万人あたり8.7人。米国の14人、ドイツの25.4人、フィンランドの28.7人より少ない。認定児童精神科医は758人、別の専門医認定を含めても1161人ほどで、地域によって専門医一人が受け持つ児童数には約5倍の差がある。 だが、これは単なる医師数の問題ではない。 初診には30分から1時間を要し、子どもと親の話を聞き、睡眠、家庭、学校での様子を確かめ、時には学校や児童相談所とも連携する。 それほど手間のかかる診療なのに、「風邪を診る方が採算がよい」といわれる報酬体系では、志だけで診療所を維持できない。 国は医師不足を嘆く前に、子どもの心を安く値踏みしてきた制度を反省すべき。 専門医の育成には年月がかかる。 だからこそ、小児科医や精神科医への研修を広げ、心理職、看護師、福祉職、学校を結ぶチーム医療に正当な報酬をつける必要がある。  専門医には難しい診断と治療を担ってもらい、日常の支援は地域全体で支えるのだ。 予約が一年先まで埋まっているという事実は、子どもに病気があるという診断ではない。日本の仕組みそのものが重症であるという診断なのである。
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