花屋の隅に、一本だけ曲がった向日葵が残っていた。真っすぐな花は次々と売れたが、その花だけは茎が大きく傾き、どこか申し訳なさそうに壁を向いていた。夕方、小学生の少女が店へ来た。「お母さんの誕生日に、一本ください」店主が美しい向日葵を選ぶと、少女は首を振り、隅の曲がった花を指した。「こっちがいい」「少し曲がっているよ」「お母さんも仕事から帰ると、いつも腰を曲げてるから。並べたら友達みたいでしょ」店主は黙って、その花を丁寧に包んだ。翌日、少女の母親が来た。
「娘からもらいました。あんなにきれいな花は初めてです」
人間の美しさが少し分かった。
欠点が消えたから愛されるのではない。
誰かがその欠点に、自分の大切な人の面影を見つけたとき、欠点は世界に一つしかない特徴へ変わる。
真っすぐな花は部屋を飾る。
曲がった花は、ときどき人生を照らすのである。
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