しびれる。人類が絶滅したとしたら、その痕跡など5000年も経てばほぼ残らず、プラスチックなど分解が困難なものだけがわずかに環境中を彷徨うくらいである。人類の存続といっても、時限付きのほんのわずかな期間でしかない。人間は泣き笑い、怒り争い、猛り狂っているが、その状況も数千年単位で見ればほとんど違いがない。👉「千年の単位でみれば、人間の情熱のさまざなちがいは融けてひとつになる。人間たちが感じた愛や憎しみ、彼らの約束、彼らの闘争、彼らの希望、時間はそれらに何もつけ加えず、それらから何も差し引くことはない。昔と今、このふたつはつねに同じなのだ。どこでもいい、人間の歴史から任意の千年、あるいは二千年を取り去っても、人間の本性に関する私たちの知識は減りもせず増えもしない。唯一失われるものがあるとすれば、それはこれらの千年、二千年が生み出した芸術作品だけである」
『みる きく よむ』
著者:レヴィ=ストロース
発行:みすず書房
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