オライリー・ジャパン出版
小美濃 芳喜 著『量産入門』
今まで読んだ中で、間違いなくトップに来る本でした。
生技は良くも悪くも、最初からある程度の『量産の考え方』を土台とした環境の中で仕事をしています。
その事業が個産であっても、
少量多品種であっても、
大量生産であっても、
程度の差はあっても、あまり変わりません。
だからこそ、その環境を『当たり前のもの』として捉えてしまい、そもそも量産のどこに難しさがあるのかを理解しにくい場面が多々あります。
結果、なぜそうなっているのかを理解しないまま慣例を踏襲し、なかなか改善が進まないという問題を抱えていたりします。
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この本を見たとき、『量産』というある意味一般的な言葉を、専門外の人にどう表現するのだろうかという興味から手に取ったのですが、本書はむしろ本業の人こそ読んで損がないものだと思いました。
・ものづくりは、必ずしも完全な新規生産品から始まるわけではなく、流用品から始まる場合もある
・企画・構想・販売台数・原価といった、ビジネスとしての根底にある考え方
・金型をベースにした投資と償却という視点
・さらに調達、サプライヤー、海外拠点での試行錯誤 など
普段の仕事では、自分の担当する「生産」を理解するだけでも、それなりの経験年数が必要です。
そこに上流の製品企画や設計、調達、サプライヤー、さらには事業としての採算まで絡めて『量産が成立するまで』を体系的な流れとして理解する機会や、手段すらそうそうありません。
この本は、個々の技術を実務的に知れること以上に、自分が普段担当している仕事が『量産という巨大な仕組みの中で、どこに位置しているのか』を俯瞰できることに実用性があると思います。
SCM、DCMなんじゃそりゃという人も、一度この本を読んでから個別の専門知識を学ぶと、理解度が段違いになるのではと思うほど良い本でした。
専門外の人に『量産とは何か』を説明する本だと思って手に取りましたが、むしろ『量産を知っているつもりになっている本職』が読む本なのかもしれません。
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