【BTCを取り巻く環境について、米国の最新動向を整理】
当社では、BTCをはじめとする暗号資産市場を分析する際、日々の価格変動だけではなく、その背景にある世界のマクロ環境を継続的に確認しています。
特に注視しているのが、世界最大の金融市場である米国の「財政・国債・金利・金融政策・ドル流動性」です。
まず、米国財政の大きな構造を確認します。
米議会予算局(CBO)の2026年度予測では
・歳入:約5.6兆ドル
・歳出:約7.4兆ドル
・財政赤字:約1.9兆ドル
・財政赤字/GDP:約5.8%
となっています。
過去50年間の財政赤字は平均でGDP比3.8%であり、現在の赤字規模は歴史的に見ても高い水準です。
さらに
・2026〜2035年の累積財政赤字:約23.1兆ドル
・米連邦政府の総債務残高:約40兆ドル規模
・公衆保有債務はGDP比で2026年の約101%から2036年には約120%へ上昇する見通し
となっており、中長期的には利払い費の増加も重要な論点となっています。
そして足元では、新たな動きも出ています。
8月20日、米財務省は長期国債市場の流動性を支えるため、10〜30年ゾーンを中心とする国債買い戻しについて、1回あたりの規模を少なくとも40億ドルへ倍増し、9月9日から実施すると発表しました。
重要なのは、この発表を単純に「金融緩和」と捉えないことです。
発表直後には米国債利回りが低下する場面もありましたが、その後は再び上昇。
米10年国債利回りは約4.69%、30年国債利回りは約5.23%まで上昇しており、市場では米国の財政赤字や国債需給に対する懸念が依然として意識されています。
こうした動きをBTCとの関係で考える際にも
「財政赤字が拡大する=BTCが上昇する」
と単純に捉えるものではないと考えてはいます。
財政赤字の拡大
↓
国債発行・国債需給
↓
長期金利・実質金利
↓
FRBの金融政策
↓
ドル・市場流動性
↓
株式・金・BTCを含む資産市場
この一連の流れを見ることが大切です。例えば、国債供給の増加によって長期金利が上昇し、金融環境が引き締まれば、BTCを含むリスク資産には短期的な逆風となる可能性があります。
一方で、景気・雇用・インフレの変化によって金融政策や市場流動性が変化すれば、資産市場を取り巻く環境も大きく変わります。
そのため当社では
① 米国の財政赤字・政府債務
② 米国債の発行・需給
③ 財務省による国債買い戻し
④ 長期金利・実質金利
⑤ FRBの金融政策
⑥ ドル・市場流動性
⑦ インフレ・雇用・景気動向
これらを個別に見るのではなく、相互の関係性を含めて継続的に確認しています。BTCには発行上限が定められているという強い特徴があります。しかし、その特徴だけをもって価格の方向性を判断するのではなく、米国を中心とした財政・金融政策、金利、流動性がどのように変化しているのかを冷静に分析することが重要だと考えています。
短期的な値動きだけでBTC上昇を喜ぶのではなく
「なぜ、その値動きが起きているのか?!」
当社としても、最新の情報とデータを継続的に収集・分析しながら、暗号資産市場を取り巻く環境を多面的に捉えてまいります。
※数値・情報出所:米議会予算局(CBO)、米財務省等
顯示更多