【カムバック制度(出戻り採用)の理想と現実】
最近「アルムナイ」という言葉をよく聞きますが、要は「出戻り採用」です。一見、企業文化を理解した即戦力としての円満な再会のように見えますが、以下の問題点を理解しなければなりません。
① 賃金設定の呪縛
最大の難点は給与決定です。外部市場価値が上がっている人材でも、社内に残る元同期や同年代との賃金バランス(横比較)を無視できません。多くの場合は退職時の給料(もしくは若干+α)となります。
元上司「戻ってこいよ!」
辞めた人「戻ります!」
人事「お給料は辞めた時と同じ○万円です」
辞めた人「え…じゃあ戻るのやめます…」
元上司「え…」
で人間関係こじれた例を何度も見ています。
② 現役社員のキャリア機会を奪う矛盾
現場で深刻なのは、現役社員の冷遇感です。本来であれば、社内でコツコツと成果を上げた中堅が抜擢されるべきポジションが、外から戻ってきた人間で埋まる。特にその間に入社した「純粋なキャリア入社者」からすると、梯子外された感が凄く、離職まっしぐらです。
③「やめる人」と思われる
正直、人事も周りも「一度やめた人」と思っています。プロジェクト終わりのタイミングを狙いすまして辞めたとしても、多少は迷惑が掛かっています。複雑な感情の人は必ずいます。
また、ゆうても同じ会社なので「前回辞めた理由」にまたぶち当たる可能性は高いです。(上司が原因だったりすると、「上司が変わっていればOK」と思いがちですが、同じ会社なら同じような人がいます。)
なので薄っすら「また辞めるんじゃないの…?」と思われ、責任あるポジションを任されにくくなります。
カムバック採用を成功させるには、「一度辞めた人を受け入れる」というノスタルジックな優しさではなく、「現在の組織が彼らをどう再定義し、現役社員をどう納得させるか」という冷静な設計が不可欠です。
人手不足なのは分かりますが、「以前と同じ会社ではない」という前提を共有できず、単なる「コスト削減」や「穴埋め」の手段として導入すると、会社と出戻り社員双方に不幸な結果となります。
(一般論であり、円満復帰で大活躍、となるケースも勿論あります)
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