私が中学生の頃、やたら口うるさい教員が居た。シャツをいれろ、手をポケットにいれるなetc...他の教員も同じような指摘はするが、その教員だけは例外なく全ての項目を100%指摘するのだ。勿論、生徒には嫌われていた。
ある日、この教員を電車内で見掛けた。すると他校の生徒にも同じように注意をしている。所謂ヤンキー校と呼ばれていたような高校の子たちにも、正しく座りなさいと叱っている。「てめぇ誰だよ」と言われ「私は〇〇中学で国語を教えている〇〇です」と丁寧に答えている。その時に、もしかしてこの人はカッコイイのではないかと私の中でカッコイイの概念が変わった。
中学の卒業式では、それぞれ思い入れのある先生と写真を撮るという慣行があった。私は彼のところに行き「写真撮ってくださいよ」と言った。彼は「僕?僕でいいの?一番僕の事嫌ってそうだと思ってたよ」と。「いや、嫌いは嫌いですよ。ただ尊敬もしてるんですよ」と伝えると彼は号泣した。信念と共に生きる過酷さを彼の涙に垣間見た。
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