【① 「制裁を受ける理由は全くない」】
赤根所長は、ICCが「政治的組織」で国際法を悪用しているとする米国側の主張を否定。
ICCとその職員はローマ規程に従い、管轄権などの条件が満たされた重大犯罪について、中立・公正に捜査、訴追、裁判を行ってきただけだとして、
「私には制裁を受けるような理由は全くないと断言できます」
と述べました。
赤根所長自身は、2023年にロシアのプーチン大統領らへの逮捕状を出した裁判部の裁判官の一人。
その後ロシア側から逮捕状を出され、昨年12月にはモスクワの裁判所で欠席裁判による有罪判決を受けたと説明しました。
それでも、
「脅威のために押しつぶされるようなことはありません」
としています。
【② 裁判官18人のうち9人が制裁、それでも「機能不全にはならない」】
今回の制裁で、ICCの裁判官18人のうち9人が米国の制裁対象となりました。
赤根所長は、所長自身や多数の裁判官への制裁によってICCが機能不全に陥るのではないかとの懸念に対し、裁判官や職員の士気は非常に高いと説明。
進行中の裁判や控訴手続は今後も進めるとし、フィリピンのドゥテルテ前大統領に対する裁判も11月30日に開始される予定だと述べました。
そして、
「ICCは決して負けません」
「Justice will and shall prevail」
と強調しました。
【③ ICCは「最後の砦」】
赤根所長は、ICCの「補完性の原則」にも言及しました。
ICCは各国の裁判所に代わって何でも裁く機関ではなく、国家に重大犯罪を捜査・訴追する意思や能力がない場合に初めて機能する裁判所です。
そのため、重大な国際犯罪を裁くことのできる国がない場合の「最後の砦」であり、被害者にとっては「最後の希望」でもあると説明。
ICCの機能が損なわれれば、そうした被害者が救済を求める場所そのものが失われかねないとして、
今回の制裁を「ICCだけの問題ではなく、法の支配の危機として捉えてほしい」
と訴えました。
【④ 日本に求めたこと】
赤根所長が日本政府に求めたのは、ICC支持の表明だけではありませんでした。
日本と米国の長い同盟関係を踏まえ、
・ICCの重要性と正当性について米国との対話を続ける
・米国側の対応がさらにエスカレートしないよう働きかける
・周辺のICC加盟国が圧力を受けて脱退しないよう支援する
・他の締約国と連携し、集団としてICCを支える意思を示す
ことを求めました。
さらに中長期的には、今回のような制裁によって日本の若い世代が国際機関で働くことを萎縮しないよう、法的措置を含む仕組みを検討すべきだとも述べています。
そして、日本国内についても、
・ローマ規程に定める4つの中核犯罪を体系的に国内法へ取り込む
・ジェノサイド条約に加盟する
・重大な国際犯罪を日本国内でも捜査・訴追できる制度を整える
ことまで提起しました。
赤根所長は、日本を「法の支配」を掲げてきた国として位置付け、
ICCと国際社会の法の支配を守るため、これまでの方針を変えずに取り組んでほしいと訴えました。
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