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Tansa/風穴をあけるニュース
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Tansa/風穴をあけるニュース
@Tansa_jp
2026.08.02 01:04
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Tansa/風穴をあけるニュース
@Tansa_jp
2026.08.01 09:51
編集長コラム・防衛記者会は退去、解散を Tansaは7月25日、以下の見出しで記事を出した。 【文書入手】陸自・現地情報隊が、市民の「愛国心」など思想調査/小泉防衛大臣に問う、どこが「不適切ではない」のか 熊本日日新聞の7月22日のスクープに対し、小泉進次郎大臣が7月24日の記者会見で「不適切な活動は確認されていない」と発言した。Tansaは現地情報隊の内部文書を入手し、小泉大臣の矛盾を突いた。 防衛大臣の記者会見は毎週火曜と金曜日、閣議の後に定例で開かれる。7月28日の記者会見でも、現地情報隊が俎上にあがった。 記者会見の議事録と動画は、防衛省のホームページで見られる。小泉大臣と「防衛記者会」の記者たちとのやり取りは、茶番そのものだった。防衛記者会は記者クラブで、新聞社やテレビ局の記者で構成する。 切り出したのは、熊本日日新聞のナカオ記者だ。 「熊日新聞の取材では、隊員が身分を隠して対象者に接触する人的情報収集活動が部隊内で承認されていたとみられることが明らかになっています。小泉大臣は前回の閣議後会見で、対外情報部門の活動は防衛省設置法に基づくものであり、不適切な活動は確認されていないと述べられました。自衛隊員が身分を隠して、秘密裏に民間人の私的な内容を調査することは適切な情報活動と言えるのでしょうか。活動が確認されていないとして回答を控える場合には、一般論として、こうした手法が適切と考えるか、不適切と考えるかも含めてお尋ねします」 小泉大臣が答える。 「陸上自衛隊中央情報隊の対外情報部門の隊員が、自らの身分を偽って情報収集を行ったとの事実は確認されておりません。その上で、報道の前提とされている文書については、防衛省・自衛隊が公表したものではなく、その出所や真正性を確認できていないため、当該文書の内容を前提としたお答えは差し控えます。したがって、御指摘のような身分を秘匿した接触が行われていたとの前提で、その適否についてお答えすることは困難であります」 小泉大臣は「事実は確認されていない」、「文書の出所や真正性を確認できていない」と言う。「されていない」「できていない」という表現は曖昧だ。結局防衛省は、現地情報隊に事実確認をしたのか、途中なのか、それともしていないのか。確認したなら現地情報隊は何と説明しているのか、途中ならいつまでに確認を終えるのか、確認していないのなら確認しない理由は何か。ナカオ記者は追及しなければならない。 だがそれ以上、ナカオ記者は質問しなかった。これでは熊本日日新聞がせっかく意義あるスクープを出しても、防衛省の見解を追認したことになる。実際、この日の記者会見について熊本日日新聞は「陸自 身分偽り情報収集活動 防衛相『事実、確認されない』」という記事を出した。小泉大臣の言い分をそのまま掲載している。 本来なら社説で猛然と小泉大臣を批判し、熊本日日新聞を挙げて闘う姿勢を示すべきだ。報道機関として、あまりに弱い。権力は甘くない。スクープを出しても、防衛省が否定してくることは予想できたはずだ。 ▽テレビ朝日記者の言語道断な質問 熊本日日新聞の次は、テレビ朝日のモリ記者。私は心底驚き、腹が立った。 「関連でお尋ねします。自衛隊法第59条ですとか、また、国家公務員法第100条1項では、隊員や職員は職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないと規定されています。今回の一連の報道の中で、この元自衛隊員の告発は違法に当たるとお考えでしょうか。違法であると考える場合に、捜査機関に相談の上、対応することは考えているのか、現時点の対応方針をうかがいます」 ジャーナリストと報道機関は、絶対に情報源を守らなければならない。大原則だ。そうでないと権力の不正は明らかにできない。古今東西のジャーナリストは、それこそ命をかけてこの原則を守ってきた。日常の取材活動でも、国家公務員から秘密の情報を得る努力なしでは、権力監視の役割を果たせない。 公益通報者保護法でも、通報を理由とした不利益な取り扱いを禁止している。 それにもかかわらず、テレビ朝日のモリ記者は「熊本日日新聞の情報源を特定し、処罰しないのか。捜査機関には相談しないのか」と小泉大臣に問うている。言語道断だ。発想が権力者であり、防衛省と一心同体になっているとしか思えない。 小泉大臣は質問に対し「報道で言及されている文書については、防衛省・自衛隊が公表したものではなく、その出所や真正性も確認できていないことから、当該文書を前提とした御質問については、お答えすることは差し控えます」と答えた。 私なら「文書の真正性が確認されても、まさか処罰のために捜査しませんよね」と聞き、言質を取るために食い下がる。だがテレビ朝日のモリ記者も他の記者も、それ以上は質問せず次の話題に移った。 ▽「ドラマは好きですけどね」 記者会見の最後はTBSのワタナベ記者からだった。 「TBSが現在放送中のドラマ『VIVANT』に関連して伺います。作品内では陸上自衛隊の秘密情報部隊『別班』と呼ばれる組織を中心にストーリーが描かれています。政府は過去には、こういった別班と呼ばれる組織を存在しないとしている一方でですね、石破前総理などは、あるとも言えないとした上で、そういう組織はあるべきと必要性についても言及しています。改めてですけれども、こうした『別班』ないし、これに準じる組織は自衛隊内に存在するのでしょうか。先ほどもちょっと質問でもありましたけれども、その上で、諜報や情報を専門とする部隊の必要性もあわせて大臣はどのようにお考えになられているか教えてください」 小泉大臣の回答。 「御指摘の諜報・情報を専門とする部隊などの人的情報収集能力の強化は、防衛省を含む政府全体の課題であると認識しています。防衛省としては、引き続き関係省庁と連携しつつ、人的情報を含む情報機能の強化に取り組んでまいります。その上で、今、御指摘の陸上自衛隊の『別班』といったような組織は、これまで存在しておらず、また現在も存在していません。ドラマは好きですけどね」 記者会見で回答する際、小泉大臣はずっと手元の原稿を読み上げていた。事前に記者から集めた質問に、防衛省の官僚が回答を用意していたということだ。 唯一、原稿を読まなかったのは、TBSのワタナベ記者への回答の最後の一言。 「ドラマは好きですけどね」 ▽陸軍省記者クラブの再来 記者会見でのやり取りを、「ダメな人たちだねー」で笑って済ませるわけにはいかない。自衛隊は最大の実力組織だ。暴走を止めなければならないのに、歯止めになるどころか、防衛記者会が後押しする役割を果たしてしまうからだ。 先例がある。陸軍省の記者クラブについて、2015年12月2日付の朝日新聞「戦後70年 戦争と新聞/なぜ戦争協力の道へ」が興味深いエピソードを紹介している。 1931年9月18日、満州に駐留する陸軍の「関東軍」が自ら鉄道を爆破。「中国兵の仕業だ」とデマを流し、軍事行動に出た。満州事変の始まりだ。若槻礼次郎内閣は「不拡大方針」を閣議決定したものの、9月21日、今度は朝鮮に駐留する陸軍の「朝鮮軍」が独断で満州へと兵を向かわせる。朝鮮と中国の国境を流れる川、鴨緑江を越境した。 慌てたのは東京の陸軍中央だ。現地部隊による独断は、天皇が軍を指揮する「統帥権」を侵すことになるからだ。報道各社にどのように説明したらいいのか――。 朝鮮軍が鴨緑江を越境した9月21日、東京の陸軍省記者クラブに、各社の担当記者が集まった。対応したのは陸軍省新聞班の谷萩那華雄大尉。谷萩大尉は、陸軍の「戦闘綱要」では現場指揮官の独断を認めていると説明して切り抜けた。だが戦闘綱要は、天皇の統帥権を侵して軍が勝手に外国に出動することまでは容認していない。谷萩大尉による「とっさの思いつき」だった。 翌日の9月22日、読売、報知、時事新報は、陸軍が朝鮮軍の越境を戦闘綱要で説明しているとの趣旨の記事を掲載。東京朝日、大阪朝日、東京日日、大阪毎日、国民新聞は戦闘綱要に触れなかったが、独断越境を批判することもなかった。閣議と天皇はこの日、朝鮮軍派兵を追認した。 谷萩大尉は後にこの時のことを振り返っている。 「当意即妙の理由を各新聞は大きく取り扱ってくれたので、なるほど軍隊にはこんなもの(戦闘綱要)があったのかと、世論は沈静に帰し問題も解消してしまった」 陸軍省の記者クラブには当時、新聞社と通信社の51人が所属していたが、陸軍省と癒着していた。新聞班に勤務していた神庭清の『長い手紙』によると、日中戦争の最中の1938年には、陸軍側5人と記者20人が熱海に懇親旅行に出かけた。陸軍次官だった東条英機はその旅行にカンパした。 1945年8月15日に日本は破滅したが、陸軍省記者クラブの面々が1931年に谷萩大尉による嘘をそのまま報道せず、満州事変の拡大を批判していたら、その後の展開は変わっていたかもしれない。 防衛記者会は、1931年当時と同じことを繰り返していると思う。谷萩大尉は陸軍省の記者クラブへの自分の嘘で「世論は沈静に帰し問題も解消」と言ったが、防衛記者会も小泉大臣が「陸自の現地情報隊に問題点はない」と世論を欺くのに利用されている。各社一斉に小泉大臣の弁を無批判に報じて火消し役を担った。 日本社会が「防衛記者会の報道がなければ、こんな無惨な結果にはならなかった」と後悔してからでは遅い。戦前と同じ過ちを犯さないために、防衛記者会は退去し、解散するべきだ。当人たちの自覚よりも、その職責ははるかに重い。
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