2026年6月12日夜に #
片岡自動車工業『## 秒針』を観ました。Paperback Pick→Play→Partyのプログラムのひとつ。Paperbackスタジオにて。
片岡自動車工業は昔大阪の劇団ユニットとして何作かをみたのだけれど、その後劇団化して東京に拠点を移したとのこと。昨年10月に駅前劇場で『エターナルチルドレン』も観ている。
場内にはいるとステージのエリアには段ボール箱がいくつか積まれている。20名から30名の客席数だろうか。ほぼ満席。予約した観客がそろったとのことでちょっとフライング気味に開演したのにはびっくりしたが、その段階で作り手とその場の観客の一体感を感じたりもする。
4人の出演者によるド関西弁のお芝居である。お笑いコンビを目指して都会に出てきた女性二人の物語。会話が研がれたボケと突っ込みで構成されていて、そのことに違和感がないし、緩急が抜群に作りこまれていて理屈抜きでおもろいし、どつきの要素まで自然に織り込んだ二人の会話の迫力にぐいぐいと巻き込まれてしまう。演じる真壁愛とMARU changの見事さに捉えられつつ、それがベースとなっての物語が生まれていくことにも痺れる。美津乃あわが編む彼女たちの住まいの大家の風貌にもふっと人の温かさを感じさせる味わいがある。また、二人がかかわりあう美鈴演じるアナウンサーの彼女たちとの共振の仕方がやがて物語の顛末に繋がっていくのもうまい。誉め言葉として、時間のフォーカスの引き方とそこに編まれる物語にとてもしたたかな匙加減でのご都合主義があって、それを俳優たちがうまく喜怒哀楽に組み上げていて、自然に作・演出の片岡百萬両が仕掛けた彼女たちの世界に繋がれてしまう。
良い喜劇というのは肩が張らずに笑えて、でもそれがベタにも凡庸にも陥らず物語を追わせるメリハリとなり、終わってみれば笑いがただ揮発するのではなく、その先に味わいや余韻がちゃんと残る。
極めて近い距離での俳優たちのお芝居をたっぷりに楽しんで、心も捉えられて、その関西弁の笑いは、私のような関西出身の人間から見てもとても鍛えられたものだと感じた。
そもそも今回のような小さなスペースで玉造小劇店などでのお芝居にも感嘆した美津乃あわさんを拝見できるのはほんとありがたいことだし、それも含めて技と勢いを持った女優たちによるライブ感あふれる関西芝居を体験できるのはとても贅沢なことだと思った。
#
秒針#
#
猫針#