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福音館100冊マラソン# 32冊目読了
マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒険(上)』
トム・ソーヤーの親友ハックが主人公に!
安定した生活をはなれ、逃亡奴隷のジムとともに川をくだる旅に出ます。
前作との大きな違いのひとつは、三人称小説から一人称小説になったことです。
少年ハックの感情や悩みによりそえる没入感たっぷりの作品になっています。
前作での私たち人間に対する作者の皮肉なまなざしも好きでしたが。
(ちなみに最近、『ジェイムズ』という作品がとても話題になっていました。
『ハックルベリー・フィンの冒険』を逃亡奴隷ジム目線でえがき直した作品だそうです。
『ハック』が一人称小説だったからこそできたことでしょうか。これも読みたい)
ハックは他の少年たちと一緒に過ごしながら、盗賊遊びを白けた目で見ています。
彼はごっこ遊びの空想の外側にいます。
彼だけは危機的な現実を生きのびているため、遊びがないのだろうと思います。
そしてやはり、危機が訪れてしまう。
トムのような安心した子どもの楽しみ方とは異なり、切実に生存がかかった冒険です。
味わいに苦いものがまじるようになったことを感じます。
ハックが癖の強い悪人たちに翻弄されながら、旅は下巻に続きます。