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福音館100冊マラソン# 28冊目読了
D・デフォー『ロビンソン・クルーソー』
「これほどみじめなものはないと思われる境遇の中にも、感謝すべきことが、多かれ少なかれ、なにかあるということが、うたがいようもなく証明されたことになる」
無人島に漂流する物語といえばこの本。
乗っていた船が難破し、無人島にうちあげられた26歳の若者ロビンソン・クルーソーは、途方もなく長い年月を一人で生きのびることになります。
主人公は全くサバイバルスキルを持っておらず、工作、農業、医学など様々な知識が不足しています。
試行錯誤を重ねて、不足している全てを少しずつ獲得していきます。
(鍋をつくれるようになるのも3年目になってから。あらかじめ知識に恵まれていた無人島小説『神秘の島』とはえらい違い……!)
たいていの困難は「勤勉と忍耐」でどうにかなるものなのかもしれません。
自分で自分を励ますために、無人島生活の良い点・悪い点を「簿記の借方と貸方」のように書き出すシーンが好きです。
簿記の考え方では必ず貸借の両側面があり、一方だけということはありません。
それと同じく、どんなみじめな境遇にも必ず良い点が見出せるということが示されています。
読みながら「自分がこの立場ならどうだろう?」と考えるのも面白い。
主人公と自分を重ねることで、どんな物事にも良い面がある、自分の力で困難を乗り越えられる、という人生観をつちかってくれる一冊でした。
もともとは大人向けに書かれた作品でしたが、作者の予想に反して子どもの読者に愛されるようになりました。
なぜ子どもたちはこの本を求めたのか、と考えることも大切かもしれないですね。
(ちなみに『ツバメ号とアマゾン号』上巻のラスト、子どもがロビンソン・クルーソーごっこをしているシーンが感動的でとても好きです)