ホルムズ海峡を避けて原油を運ぶ費用は、わたし達みんなで払うことになりそうです。
中東から日本まで、原油はおよそ20日で届きます。ホルムズを通らず喜望峰をまわると、およそ50日。伸びた日数の分だけ、燃料費も人件費もかさみます。
増えた分は、税金で出すのではありません。
8月7日に示された案によると、石油元売りや商社からお金を集めて、遠回りして運んだ会社に配る。業界の中で分け合う形です。
家計には関係のない話に見えます。ですが、時事通信はこう書いています。
「一定程度が製品価格への転嫁を通じて国民負担となる見通しだ」
ガソリンの値札に、その内訳は書かれません。
明細に載らない値上げ、ということです。
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消費税を下げても値下げしない、と言ったお弁当屋さんが叩かれています。
でも、これは予想されていたことでした。ドイツの事例を紹介します。
2020年、ドイツが付加価値税を19%から16%に下げました。しかし、消費者の払う値段に反映されたのは、下げ幅の7割弱でした。食料品にあたる軽減税率のほうは、もっと低い。3割台です。
日本はいま、物価高が続いています。仕入れも人件費も上がっている。
そこで税率が1%下がったとして、その分を丸ごとお客さんに返せるお店が、どれだけあるでしょうか。
叩かれるべきは、お弁当屋さんではないと思います。
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「日本の批判をするなら、社会主義国へ行け」という言葉について。
わたしもネトウヨ時代は、そう考えていました。「国の悪口を言うなら、出ていってしまえ」と。
権力を疑うことと、国を嫌うことが、同じに見えていたからです。
でも、今は分かります。
権力者を堂々と批判できることこそ、この国が守ってきたものです。
「批判するなら出ていけ」は、自分が守られている場所を、自分で手放す言葉です。
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東大教授が、大学院入試サイトのソースコードに「六四天安門」という文字を仕込んでいたそうです。
中国の検閲に引っかかる言葉で、そのページを中国から見えなくする細工でした。
中国共産党による検閲への、抵抗のつもりだったのでしょうか?
でも結局、
それで実際に入試情報を見られなくなったのは、検閲する側ではなく、日本に来ようとしていた中国人留学生でした。
誰と戦っているつもりだったのか。
聞いてみたいものです。
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昨夜言及した「国家情報局」が発足しました。
その先に、もうひとつ控えているものがあります。
来年の通常国会に、通信傍受の範囲を広げる法案が出される見込みです。自民党が先日、提言をまとめました。
その内容は、簡単に言うと「令状なしの通信傍受」を認めるものです。
そもそも、いま通信を傍受できるのは「犯罪の捜査のとき」だけです。薬物や銃器など、対象になる犯罪も決まっています。
そして、傍受には裁判所の令状が要ります。警察が「この人の通信を見たい」と考えても、裁判官が認めなければ見られません。
以上を「司法傍受」といいます。
これに対して、自民党の提言が求めているのは、「行政傍受」という別ものです。
安全保障を目的とする場合には、令状を必要とせず、対象になる事件も限定しない。そういう制度です。
報道では「令状なし傍受」と呼ばれています。
さて。
司法のチェックという歯止めをかけず、行政機関に通信傍受を許したとき、それは暴走しないと言い切れるでしょうか。
人の社会は、長いこと権力を分散するための仕組みづくりに励んできました。
この提言は、それを踏まえているのでしょうか。
権力は、暴走するのですよ。
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熊本の地震から、2日が経ちました。
世界から弔意が届いています。韓国、フランス、イタリア、ウクライナ、国連。台湾からも、中国からも。
中国からの弔意には、複雑な反応もあるようです。
政治的な意図ありきという考えもあるでしょうし、その気持ちが分からないわけではありません。
ただ、それだけではないと思える世の中であってほしい。
東日本大震災のとき、日本は206の国と機関から支援してもらいました。
共通の危機に立ち向かうとき、国境は少しだけ下がるものなのかもしれない。
少なくとも、そんな風に良心を信じて「ありがとう」と言えるようでありたいですね。
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自衛隊の思想収集問題の第2弾について。
収集項目に「性的嗜好」「異性関係」「資産・負債」が含まれていた。
元隊員の証言によると、目的は「嗜好を利用して接触する機会をつくる」。思想調査ではなく、弱みを握るための工作だった。
並行して、もっと怖い話がある。
今日7月24日、政府は日本のインテリジェンスの司令塔「国家情報局」の設置政令を閣議決定する。来週31日、700人規模で発足する。
2016年、仙台高裁は自衛隊による市民監視を違法と断じた。それでもやめなかった組織の上に、さらに大きな司令塔が置かれる。
わたしたちはこのタイミングの一致に、もう少し敏感であるべきだと思う。
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陸上自衛隊が、国内の大学教授やNPO代表の「愛国心」「思想・信条」を調査していた疑い。熊本日日新聞の独自報道からです。
元隊員は「法的根拠は示されなかった」「同意は取っていない」と証言。数千人分とされる。
既にヤバい話ですが、わたしがいちばん問題だと思うのはそこではない。
この活動が、防衛相にすら知らされていなかったとされていることです。防衛省自身も「把握していない」とコメントしている。
海外が任務の情報部隊が、政治のコントロールなしに、国内市民の思想を分類していた疑い。
これは左右の問題ではない。民主主義の根幹の問題です。
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円が163円台まで下がりました。約39年半ぶりの安値です。
片山財務相は「いつでも適切に断固たる対応を取る」と述べました。心強い言葉です。が。
この「断固たる」という言葉、今年だけで何度目でしょうか。
6月9日「断固たる措置を取る用意がある」。160円台。
6月19日「断固とした措置をとる」。161円台。
6月30日「断固たる措置」に言及。162円台。
7月22日「いつでも適切に断固たる対応」。163円台。
「断固たる」と言うたびに、1円ずつ下がっています。「断固たる措置」は、いつ来るのでしょうか。
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国旗損壊罪が本日、参議院の委員会で可決されました。
この法案に反対の声明を出した団体を確認します。
日本弁護士連合会。
アムネスティ・インターナショナル。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ。
ヒューマンライツ・ナウ。
東京弁護士会。
自由法曹団。
参議院の参考人質疑では、憲法学者が「政治的表現の規制法であり違憲」「判断者によって結論が変わり、罪刑法定主義に反する」と述べました。
アメリカでは1989年、連邦最高裁が国旗焼却を「表現の自由」と認めています。
これだけの疑義が出た法案が、本日、可決されました。
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昨夜のデモ、国会前に2万7千人。オンライン11万人。全国136カ所で同時開催。
なぜこれだけの人が声を上げたのか。ここで、この半年あまりに起きたことを並べてみます。
2月、衆院選で自民が316議席。単独で3分の2を超えたのは戦後初です
4月、殺傷兵器の輸出を閣議決定だけで解禁。国会での議決なし
5月、高市首相が「来春にも改憲の国民投票を」と表明
6月、国旗損壊処罰法案が衆院通過。憲法学者が「違憲の可能性が非常に高い」と指摘
7月、皇室典範改正案が衆院通過。1947年以来初の実質改正を、審議わずか3時間で
8月、高額療養費の自己負担額増。石破前政権で凍結した施策を解凍
(まだまだあります)
ひとつひとつなら「そういうこともあるか」で流せるかもしれない。でも並べてみると、この国の空気が半年前とまるで変わっていることに気づきませんか。
声を上げた13万7千人と全国136カ所の参加者は、そう感じた人たちだとわたしは思っています。
少なくともわたしは、そうして慣れないペンライトを振ってきました。
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少し説明させてください。
通信の傍受は今、犯罪捜査のときだけ、「令状」という裁判所のチェックを通して認められています。
今回自民が提言するのは、これを捜査だけでなく「安全保障」目的にも広げ、しかも「令状なし」でやるという制度です。誰のどんな通信が対象になるのか、報道されている範囲にはまだ定かでありません。
しかも提言文では「傍受」という言葉自体を避けることが検討されているそうです。
今月、国会のチェックなしで国家情報局が発足したばかりです。その司令塔に、今度は令状なしで通信を集める手段を持たせようとしている。こっそりと。
かつて、ナチスのように静かに動け、と発言した方がいました。ヒトラーの礼賛本に関わった人もいました。
彼らはいま、ある党の総裁と副総裁です。
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放火の疑いで逮捕されたのは、そのお寺で修行していた28歳の僧侶見習いでした。
この半年、寺や神社で火事が起きるたびに「外国人の放火だ」といううわさが広まってきました。が、NHKが先日消防や警察に取材して検証したところによると、放火と確認された火事は一件もありませんでした。
一方、北海道では今年、パキスタン出身の方が管理するモスクが全焼しました。再逮捕されたのは、37歳の日本人男性でした。
火事は調べれば原因がわかります。「外国人のせいだ」といううわさだけが、訂正されないまま、次の火事を待っているようです。
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昨日のこの投稿に、たくさんの言葉が届きました。ありがたい言葉も、怒りの言葉もありました。「日本が嫌いなんだろう」という声もあったので、今日はその方たちに向けて書きます。
わたしは日本が好きです。田園も、山と川も、温泉も、夏の夕方の匂いも、繁華街の灯りも、日本語の書き言葉も好きです。ネトウヨだった頃も好きでしたし、いまも好きです。変わったのは、好きの示し方だけです。
あの頃のわたしは、日本を愛することと、日本にいる誰かを憎むことを、混ぜていました。
憎しみは、愛国のふりをするのがとても上手いのです。誰かを罵ると、国のために戦った気分になれました。
でも振り返ると、あの罵声が日本のためになったことは、一度もありませんでした。風景も温泉も日本語も、わたしが誰かを罵ることを必要としていなかった。
あなたが本当に守りたいものは、何でしょうか。それは、誰かを憎まないと守れないものですか。
もし答えに迷ったら、それはたぶん、愛国心が足りないのではなく、憎しみが多すぎるのです。
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作家の柳美里さんに、ひどい言葉が殺到しているのが話題になっています。「チョン」という言葉を本人に向かって投げつける人が、2026年にまだいる。
わたしは、かつてああいう言葉を使う側にいた人間です。元ネトウヨです。だから少しだけ、内側から見た景色を書きます。
ネット上でヘイトをする人の少なからずは、特別な悪人ではありません。会社では真面目で、家庭では優しい人が、画面の前でだけああなる。
入口はたいてい「事実を言って何が悪い」でした。でも振り返れば、あれは事実ではなく、事実の顔をした憎悪でした。「区別であって差別ではない」という理屈も使いました。区別した相手を、対等に扱った記憶は一度もありません。
彼らには、言葉を投げる前に一度だけ考えてみてほしいと思う。「その言葉は、あなたの生活の何を良くしてくれましたか」
わたしの経験では、何も良くしてくれませんでした。罪悪感と、苦々しい気持ちが残ったばかりです。
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イラン国営石油会社が、日本の石油元売りに「原油を買いませんか」と打診してきたそうです。一行の速報ですが、背景を知ると見え方が変わるので、少し説明させてください。
かつて日本は、輸入する原油の一部をイランから買っていました。イランにとっても、中国やインドと並ぶ大事なお客さんでした。
それが止まったのは2019年です。前の年、トランプさんが核合意から一方的に離脱し、「イランと取引する外国の企業や銀行も罰する」構えを取りました。
日本向けに認められていた例外も打ち切られ、送金も保険も輸送も動かせなくなりました。元売り各社は弱腰で逃げたのではありません。商売が成立しなくなって、撤退させられたのです。
それから7年。先月、米国とイランが停戦の覚書に署名し、そこに「米国はイラン産原油の輸出を認める」という項目が入りました。今回の打診は、その実行の第一歩。かつての上得意への、営業再開の挨拶です。
ただ、企業はすぐには動けないはずです。「買ってよし」の根拠はまだ覚書一枚。そして前の約束(核合意)を破ったのは、当の署名者本人です。
だからわたしは、政府の仕事はここからだと思います。企業が安心して買えるように、この約束を外交で固めること。
7年ぶりに、戦争ではなく商売の話が戻ってきました。
戦争より商売のほうがずっといい。
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国の税収は、6年連続で過去最高だそうです。同じ政権の下で、来月8月から医療費の月々の自己負担上限が引き上げられます。
取り立ては過去最高、支えは先送りならば「そのお金は何に使うんですか?」と問いただす場所が、本来は国会です。
その国会はいま、止まっています。与党が議員定数を削る法案の審議入りを委員長の職権で強行し、それに抗議して野党が全法案の審議を拒否しているからです。
「野党のサボりだ」と言う人もいます。でも順番を思い出してほしい。先に話し合いを打ち切ったのは、数で押し切った側です。
それでも、8月の負担増は止まりません。医療費の上限額は法律ではなく政令。国会を通さず、内閣だけで書き換えられるからです。なんじゃそりゃ。
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自民党と維新の会が進めている「衆議院の定数削減」。これと似たことをやった国が、ハンガリーです。
右派ポピュリズムのオルバン首相は「非リベラル」を掲げ、2012年に議席を386から199に大幅に減らした。選挙区の再編と合わせて少数野党の議席が激減し、与党の支配が盤石になった。以来16年間、事実上の一党支配が続きました。
その結果どうなったか。
EU最低水準の経済、公共サービスの崩壊。そして今年4月、オルバンは総選挙で大敗した。16年ぶりの政権交代です。
「定数削減」は、改革に見せかけた強権政治の道具にすぎない。いま日本の与党は、それを野党の反対を押し切って強行しようとしている。
ハンガリーの16年は、他人事ではありません。
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「議員が多すぎるから減らそう」と言われると、一見まっとうに聞こえますよね。
でも調べると話が違います。日本の衆議院465人はOECD38カ国中36番目。戦後80年で最も少ない。「多すぎる」は事実ではありません。
しかも削られるのは比例代表。小選挙区では届かない少数派の声を国会に届ける、大事な仕組みです。それを4分の1減らすのは「改革」ではなく、声の小さい人をさらに黙らせることです。
「身を切る改革」の「身」って、誰の身なんでしょうね。
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